私はついつい人生において全く考えなくていいことを考えてしまいます。
この前、とある都心の公園に行ったところ、そこには噴水を擁するミニ池がありました。
そこにけっこうな数の亀がいたのですが、よく見ると一体変な模様なヤツがいるのです。
ピンクと緑に甲羅が輝いている!!
しかしさっと近づいてみると、何のことはなく誰かが捨てた折り紙みたいなゴミが亀の甲羅にひっついているだけでした。
少しがっかりして、そのゴミを取ってあげながら、そのとき唐突に私は思ったのです。
かの有名な哲学者・カント先生は、人間には人間だけの共通認識みたいのがあって、それを通して世界を見ているから、物それ自体を認識するのは無理だと言いました←自己流理解です。
しかしこれを動物に置き換えた場合。
ネコにはネコの、そして亀には亀だけの共通認識が見てる世界があるのではないだろうか。
そう思った瞬間に私の意識は、亀が見ている認識の世界であるタートリックワールドに飛びます。
亀たちが集まる都心の繁華街の駅。
その駅から出てすぐの場所に甲羅ショップ・カメリアはあります。
お店の中に入っていくと、そこにはフックにかけられた色とりどりの甲羅たちが、あなたを出迎えることでしょう。
手前にかかっている一番人気は市松模様の甲羅です。
スタンダードで誰でも合わせやすいデザイン、お値段は2500円。
その横には、赤と黒の水玉模様が目を引く派手な甲羅があります。
これは草間彌生デザインの甲羅でお値段は1万2000円。
少し入ると青と白のボーダーのスタンダードな甲羅もあります。
これは2000円と、なかなか手が出やすいお値段。
店の奥に行くと、今までのオールシーズン使える甲羅ではなく、季節に特化した甲羅のコーナーもあります。
ここには夏なら、甲羅の上半分だけがメッシュになっているメッシュ甲羅。
冬なら首回りにフサフサした茶色い毛がつき、甲羅自体にモコモコした綿が入っているダウンジャケット甲羅が並びます。
このお店から出て裏通りに行くと、もっとお洒落に特化した若者向けの甲羅ショップもあります。
そこには甲羅のところどころが欠けていて背中の肉が見えるタイプのダメージ甲羅。
ピンクと黒を基調に、よく分からないキャラクターが印字されている地雷系甲羅何かも人気です。
背中の肉の3割が丸見えになっちゃうワンピースタイプの甲羅も若い人には抵抗感が無く受け入れられています。
その時です。店の外から突然騒ぎが巻き起こります。
外に出てみると甲羅を付けていない酔っぱらった中年の全裸の亀が縦横無尽にふらついています。
そしてそれを追いかける青い制服に帽子を被ったポリスタートル。
一瞬混乱に包まれたこの町もポリスタートルがすぐに全裸の亀を捕まえて穏やかさを取り戻します。
全裸くんも反省している様子です。
そんなところまで考えていたらいつの間にか駅についていました。
亀を飼って仲良くなれば、いつかその世界の秘密を教えてくれるのかも。
そんなことを考え、亀を飼おうか迷いながら私は家路に着きました。