<歴史>鎌倉殿の13人 28~34話 雑感

鎌倉殿の13人

前回の雑感でペースを上げて1、2週ごとには上げていきたいと行ったくせに、かなりの週が空いてしまいました←自分がさぼった所為

しかし鎌倉殿の内容は正直言って圧倒的に面白い!

頼朝が死んでからが真骨頂だとは思ってきましたが、ダークとカオスを徹底的に描く物語は、今のところ大河史上ナンバーワンで面白いと思います。←私が見た中でです。

今回は、1話ごとに区切って雑感を書いていこうと思います。

28話 名刀の主

梶原景時の没落が描かれた回でした。

2代目頼家は肩に力が入るのはいいけど、父の代から支えてくれていた安達氏の妻を寝取り、そして妻を自分によこさないのであれば滅ぼすという傍若無人ぶり。

そしてここで政子にたしなめられるまでが、いつも鎌倉時代の物語で描かれるテンプレートですね。

景時は頼家のために地ならしをしようとしているのですが、こちらも肩に力が入っている模様。

それでなくても前の施政者の秘密警察的ポジションの人は恨みを買っているものです。

石田三成しかり人員の行動を見張り報告するポジションの人は、秀吉や頼朝に向けることが出来ない怒りを全力で買うことになるわけです。

その意味で景時は、頼朝や頼家の力を自身の影響力と混同し過信してしまいましたね。

また鎌倉幕府第一主義の義時に京都行きの事を話したのも失敗でした。

とはいえ今回の景時は、従来の嫌な裏切り者というイメージを覆す魅力的なキャラで描かれていたと思います。

神や仏に対する信仰の深さ、理論的で組織に重きをなす存在感など、広元と共に文官チームの重要人物として本作を盛り上げてくれたと思います。

29話 ままならぬ玉

景時から善児を譲り受ける義時。

兄の宗時の伏線がここでも出てきて、かつ運命を神に委ねる景時の性格も併せてドラマにしてしまう脚本が最高です。

頼家が生んだ子を三浦に付けて勢力の均衡を図るあたりの義時のバランス感覚と、私欲よりも鎌倉のことを考えている描写もとてもいいです。←ただしこれが後の悲劇の引き金になる模様。

そして本作では徹底的にアンポンタンとして描かれる時政ちゃんは、陰謀の源泉であるりくのいいなりに全成に頼家の呪詛を頼みます。

ここにきて私欲の時政・りくVS政治の義時という構図がしっかり出てきます。

30話 全成の確率

館の下から見つかった人形から、全成と北条を追い詰め比企。

まあ、これは比企からすれば絶好のチャンスですね。

時政は自首すると言いますが、そんなことしたら北条は滅亡です。

義時は和田と三浦に声をかけて的確な準備をします。

そして全成が捕まったら、次は妻の実衣が危ない!

しかし政子が、あなたは私が守ると言います。

そのあとの、着物の中がむれるかどうかの微笑ましいやり取りが素敵です。

ここにきて姉妹は和解したわけです。

頼家の全成は流罪で実衣は許すというのは、これは妥当な判断でしょう。

呪詛の効力が信じられていた時代においてトップを呪ったのですが、温情ある沙汰とすら言えるかもしれません。

さらに今回の頼家が面白いのは、ここで比企べったりにならないところです。

頼家がやりたい土地の再配分政策の率先垂範、つまり比企が土地を差し出すように求めます。

鎌倉幕府の求心力というのは、鎌倉殿の力の元に裁判を行うことで、自分の土地を理不尽に取り上げられないということが第一にあるので、頼家がやってることは理想の押し付けというタイプの愚の骨頂です。

秀吉は、検地をして土地の目安を統一して、そして報酬という名目で武士をその土地から引きはがし、違う土地へ配置することをし、しっかりと理屈や出世という飴を付けて実施しましたが、頼家のはただの思い付きの域を出ません。

なので比企が飲めないのは分かるのですが、ここでまさかのよし頼家を呪おうとなるのはびっくりしました。

そして北条とは対立している比企の言うことをホイホイ信じて、再び呪詛に手を染める全成にはもっとびっくりしました。

後半戦の鎌倉殿は基本的にめちゃくちゃ面白いと思うのですが、さすがにこれは全成がアホすぎて無理がありますね。

おそらく死ぬ前の陰陽師的シーンやエンタメ度を優先したのだと思うのですが、ここだけは力技感が否めませんでした。

しかし、この後に最高のシーンがあります。

そう我らが義時の覚醒シーンです。

思えば、彼は頼朝時代から御家人の間を走り回り苦労をしてきました。

そして野望や陰謀の亡者たちをその目で見てきました。

それを積み重ね積み重ねて、そして全成が死んでの爆発です。

「鎌倉殿の元で、私が悪い根を断ち切る!」

これぞ私が総理大臣をやるぜ宣言です。

行け!!やってしまえ義時!!!比企を倒せ!!

我慢して我慢して吹っ切れるという人物はなぜかくも魅力的なのでしょうか。

善児を使い比企を追い込む義時・・・

うーん、かっこよすぎ。最高だよね。

しかしなんとあの運も実力も無い頼家は(ちょっと言い過ぎ)、ここでリアルに病に倒れちゃいます。

いよいよ北条と比企は混沌としてきました。

31話 諦めの悪い男

緊迫する北条と比企。

ここでの三浦の頼朝の文書偽造祭りが可愛いですね。

こういう茶目っ気陰謀キャラがいると物語がよりスパイシーになります。

りくは義時に北条のトップは時政だと宣言しますが、義時は父の政治に対する姿勢に疑問を持っています。

比企に対し、関東と関西で一幡と千幡で分けようと提案し断られる義時。

これはやれることはやったという自分の心理的側面と対外的にも融和策を提案したというイメージ作りという二つの狙いがありますね。

そして覚悟を決めた義時は、政子の一幡の命は助けてという願いを了承するも、生かす気はさらさらありません。

ここにきて師匠である頼朝の敵方の男子は命を助けないというルールを厳格に適用しています。

悲しいですが歴史を振り返るとこのルールは正しいと言わざるを得ません。

何せ頼朝も命を助けられたばかりに平家を倒すことができたわけです。

しかし皮肉なのが、今回死ぬのは自分の血を引く孫なわけです。

頼朝もあの世で真っ青になってるかもしれません。

そんな父に対し、「そこまでして北条の世にしたいんですか」と詰め寄る本作の良心こと泰時。

それに対し義時は「当たり前だ!」と返します。

今までの調停者としての役割から、トップに立つ覚悟を決めたのがこの発言でも分かりますね。

そして勝つために何でもやる覚悟を決めた義時は、比企の出である比奈をスパイに送り込む。

うーむ、徹底した描き方だ。

義時は父の時政に政治をしょって立つ覚悟を聞くものの、時政から出てくる言葉は、家族や自分の土地のことばかり、義時は内心満足してはいないでしょうがここは納得したことにした模様です。

時政の理論は、北条の家の繁栄のみに固執しており、それは実は鎌倉幕府が滅ぼした平家の理論そのものだったりします。

一つの家ではなく公平に裁判をする組織であることが鎌倉幕府の正当性を担保してることに気付くどころか、今回の時政は物事を深く考えることが出来ないというポンコツとして描かれてますね。

その分、りくの怪演が光るわけですが。

その後、時政と比企能員の私欲老害コンビによる最後は歩み寄ったんだよセレモニーを経て、比企は滅ばされます。

個人的に着目したのは、政子に報告した後の義時にフラッシュバックする兄の言葉です。

「坂東武者の世を作り、そのてっぺんに北条が立つ」

今までの義時は、調停者として鎌倉幕府の組織を円滑に運営することを目指していましたが、ここにきて私欲だらけの組織を自らがまとめることの覚悟を決めました。

この決断は、御家人の集団指導体制ではなく、北条一強体制という寡頭政治への変換であり、また血を流し、いかなる手段を用いても権力を握るという方針への転換です。

この展開を闇落ちとか、理想の後退だと受け入れられない人はいるでしょう。

私も自由と民主主義を愛し、想像力こそが世界を救うと思っている文学ピープルですが、本作に関してはそんな視点は野暮というもの。

なぜなら現代と鎌倉時代は道徳も政治システムも全く違うからです。

ここになまじ現代への教訓なんていうものを入れようとするから大河は、まるで無菌状態の紙芝居を見てるような詰まらないものになるのです。

この時代は、力と陰謀と政治の時代であり混沌としたカオスな時代であった。

そして本作はこのカオスを楽しめばよいのです。

心が洗われるような素晴らしい作品も大好物ですが、そんな作品ばかりでは胃もたれを起こしちゃいます。

大事なのは多様性であり、その意味で本年の大河はダークカオス大河としては近年まれにみる素晴らしい作品です。

だからこそ私はこのシーンを見た時

「行け!突き進め義時!」

とテンションが爆上がりでした。

こんなにも主役が光っている大河は本当に久しぶりです。

そしてここでの、誰も望んでない時に回復する頼家。

病から回復するのは知ってはいましたが、ここまで痛々しく描く脚本は最高ですね。

既に実朝、時政体制が固まっている中、邪魔者でしかない頼家です。

運命やいかに。

32話 災いの種

突如回復した頼家の対応に困る鎌倉。

比企の滅亡を隠そうとしても無理があります。

孫の一幡を助けるという約束を反故にされたのに気づいた政子は義時に激怒、自分から頼家に比企のことを話すことにしますが、頼家が死ぬと思って殉死したというのは無理がありますよね。

しかし、ここに母親としての不器用な気遣いが見えます。

とはいえその不器用な気遣いは頼家からすれば許せないものに映るのも道理。

嫁と子供とその実家を実の母親の一族に滅ばされたわけですから、その混乱と悲しみは想像を絶するものがあります。

政子に近寄るなというのもうなづけます。

とはいえ本作の脚本は、政子を母や愛という枠の中でしっかり守っている印象を抱きます。

義時がここから政治の闇に直面していく中で、政子と泰時が本作の良心になっていくのだと思います。

そして実家を滅ぼすことに手を貸すことになった比奈は自ら離縁を申し出ます。

愛情とそして苦しみの葛藤で悩む女性を堀田真由さんはとてもよく演じていたと思います。

始まる前は比奈という人物に特に注目していなかったのですが、堀田さんの演技もあり、かなり印象に残る人物になりました。

あと後半に向けての重要人物の平賀朝雅が今回初登場しましたね。めちゃくちゃいやらしくて最高です。

いよいよ、りくの陰謀プロジェクトの手駒が揃いつつあります。

比企尼の公暁(善哉)の洗脳シーンというエンタメ溢れるシーンも素晴らしいです。こういうシーンがあると歴史にそれほど明るくない人も楽しく見ることが出来ますね。

33話 修善寺

絶好調の執権別当の時政は、またもりくの陰謀に乗り、武蔵守を取りにいきます。

武蔵に土地を持つ畠山とのバトルフラグが立ってしまいました。

しかし時政の政治は私利私欲で、権力者の自制という政治が上手く回る知恵の実践の気配はありません。

三浦は義時たちに対し

「お前ら最近誰かとすれ違ったか、お前らは避けられ嫌われている。あまり調子に乗らない方がいいとオヤジさんに言っとけ」

と芯を食った耳に入れたくないことをずかずか言います。

しかしこれをちゃんと言ってくれる人が居ることが義時の救いですね。

時政はアンポンタンというのもありますが、三浦の先代が死んで、もはや誰もアドバイスできる人が居ない状態です。

こうなるとりくの独裁状態ですね。

そして実朝に京都から嫁を取ろうという流れ、御家人から取ると第二の比企が現れると限らないという点と京都との結びつき強化という二つの狙いがあります。

場面は移り京都。

後鳥羽上皇のお手製のジオラマ。その中でボロ家で表現される鎌倉。

今回の京都は本当に悪く、禍々しく書かれますね。

個人的に平安時代の政治というのは、最悪な現代政治よりももっと悪いものとして認識しているので嬉しいですし、こういう描写が重なるほどに後半の承久の乱が盛り上がります。今から楽しみだ。

頼家は鎌倉宛に

①近習をよこせ

②安達景盛の身柄をよこせ

という無茶な要望をしてきます。

まだ自分の事を鎌倉殿だと認識してる頼家に頭を抱える幕府首脳陣。

義時は覚悟を決めたと思いきや、それでも頼家は殺したくない模様。

政子は、雨樋をずっと見ていた実朝の様子から和歌をやらせたいと三善康信に頼みます。

一方で実衣は、国を動かすための道具として和歌をやらせたい模様。

子供自身の個性を見ている政子と、自分の願望を仮託している実衣

政子や康信の和歌は、自由と感性。実衣と仲章の和歌は規律と伝統

非常に上手い対称として見せています。

一方、頼家は三浦に対し思いを吐露したり、畠山たちに時政が武蔵守を狙っているとばらしたり、もはや殺してと言わんばかりの行動を取っています。

そして頼家が北条追討の院宣をもらおうとしていたことが判明するに至り、義時及び鎌倉首脳陣の覚悟も決まります。

「頼家様を討ち取る」

義時はこの決断については辛そうです。泰時に責められて、私だって死んでほしくないと思いを吐露しています。

しかし、この決断は仕方ありません。ほっといたら鎌倉VS京都という大問題になる可能性がありますし、こうするほかありません。

そして義時の口から息子の泰時に対し

「あれはかつての私なのだ」

という重要な言葉が飛び出します。

名実ともに本作の理想の象徴として泰時が居ることが宣言された形です。

そして本話で重要なのが運慶に言われる

「悪い顔になったが、迷っているだけまだ救いがある」

という一連の言葉です。

陰謀に手を染めつつ理想も諦めきれない男の悩みをリアルに描きだすドラマ。

本作は本当に素晴らしいです。

これからも流れ続ける血、そして悩み続ける男、なんてハードで魅力的な大河なのでしょうか。

そして私は本作の頼家の最後の描き方もとても好きでした。

いつか私は殺される。ならば華々しく抗う!

これぞ滅びを背にした男の大立ち回りというやつです。

細々と惨めに生きるより、華々しくレジスタンスして死ぬ。

この生き様はとてもかっこいいです。

自分の頼家のイメージがかなり揺さぶられました。

善児の最後に関して言えば、彼は自分自身が殺してきたものに、自分自身の心が復讐されたということでしょう。

影に生きるつもりが、影に飲み込まれてしまった男の最後、因果応報ここにあり、しかしそれをしっかり描く脚本は素晴らしいの一言です。

34話 理想の結婚

頼朝の観音様を泰時に渡す義時。

しかし泰時は妻に、良心がとがめるから観音を自分に渡したことをぼやき「父は悩むべきだ」と言います。

これは非常に健全な思想ですね。

自分の良心を譲り渡すのではなく、持ち続け悩んで欲しい。厳しいようですが一転して優しいようにも思えます。

実朝は、ハードな鎌倉学園のハイスクール生活笑

かなりの詰め込み式ですが、三浦の女性の授業の時だけ目がギンギンです笑

そして政子は実朝の為に和歌を自分で写し、さりげなく置いてあげて欲しいと康信に頼みます。

さりげなく自分のためでなく、我が子のことを思っての行動。

母の愛は素晴らしきです。

一方、父の時政は賄賂をもらい放題。そして裁判も賄賂をくれた方に理由もなく捻じ曲げます。

鎌倉政権の公正な裁判という旗を完全にないがしろにするトップが誕生してしまいました。

頼家ですらやり方や手法、思想の問題はありつつも、公儀の意識は持っていましたが、これはもう完全にダメな田舎成金のクソジジイです。

母の愛で描かれる政子、政治と陰謀の中で揺れる義時に対し、自分のことしか考えていない時政・りくチーム。この対比の構図は完全に固まってきましたね。

畠山は惣検校職を取り上げるだけのつもりなのか疑心暗鬼ですが、自分が武蔵守をやると文官たちの前で時政自身が言っているわけですから、畠山の疑いも分かりますし、実際に時政は武蔵の利権をそっくり頂く気でしょう。

物を考えれない・考える感性が無い老害は政治に携わってはいけないという例ここにありって感じですね。

こればかりは現代も一緒ですね。もう考える力も感性も無いなら、さっさと死ぬか、それかどこか隅っこでじっとしていて欲しいものです。

そして安定の京都陰謀チーム。

仲章の言葉に簡単に転がされる平賀ちゃん。

政範を毒殺しちゃいます。

今回出てきた藤原兼子といい京都チームは本当にいやらしくて傲慢な奴らです。

義時には二階堂行正の孫娘・のえとの縁談が持ち上がります。

文官チームも時政がダメダメだから義時に期待をかけてるんですね。

そしてのえの本性を見破れない八田知家。

義時といい知家といい、男は馬鹿だというのをこれでもかというくらい描いてますね。

のえは男たちの理想をそのまま投影して演じているわけですから、ところどころ不自然なんですが、男は理想を脳内補完するため信じちゃうんですねー。

しかし本作がすごいのが、主役を陰謀と政治の間で悩ませ、そしてしょぼくれて縁側で酒を飲ませ、かつ女にころっと騙されるといった具合に、全く美化していないところです。

まさに悩める中年をそのままに描いています。そしてそれは義時に対して全くマイナスになっておらず、むしろ頑張れと応援したくなるという効果を発揮しています。

近年の大河は主役を役者の都合から美化し、汚い部分を描かない傾向が強いですが、本作は虚飾なく描いていてその覚悟にあっぱれですし、ドラマもより面白くなっています。

義時は泰時と初に妻を取ることを報告します。

ここで色々と妻をとる理由を並べる義時に

「自業自得だ」

と言ってしまう泰時、義時の顔色が変わり緊迫した瞬間に泰時を叩く初。

うん、これは最高の嫁ですな。

もしこのまま義時と泰時が言葉や拳を交えて入れば、親子の断絶は決定的なものになっていたかもしれません。

それを避ける最高の方法を実践した初は素晴らしい。

男というのは一度、心が断然してしまうとそこが復活するのは至難の業という難儀な性質を持っています。

初は親子の危機を救いました。

さてそんな泰時は、のえの本性を家政婦は見た!ばりにたまたま目撃してしまいます。

今後の泰時の苦悩が暗示されますねー。

最後に

本作はすごい。

何がすごいって圧倒的に面白い!そして陰謀や血を避けず、主役を美化せずに徹底的に描いている。

そしてそれと同時にそれぞれの心情をリアルに描いているからこそ体重も乗っかります。

私は本作の頼朝を述べた時に、鎌倉時代の精神の完成は義時として描くのではと言いましたが、外れそうですね、おそらく義時は苦労し苦悩する橋渡し役として描き、その完成は泰時の時代という風に描くのでしょう。

正直、前半は面白かったものの頼朝自体の考えがイマイチ見えてこないこともあったのですが、北条編になってからの物語の濃度と面白さは圧巻です。

それはこの時代を下手に道徳的に描こうと思っていないからでしょう。

最近のエンタメ作品が、想像力が大事、理想が大事というような真面目な風潮を取り戻してきたことは歓迎すべきですが、そんな作品ばかりでは困るし、多様性こそが大事です。

本作は、ダークでカオスな時代をありのまま浴びるように楽しむ!

それだけでいいのではないかと思います。

理想をたくせるキャラは政子と泰時がいるわけですから、それ以外は安心してカオスを泳ぎ回りましょう。

本作は視聴率が苦戦しているという報道がなされていますが、ここまでダークで面白い話を作っているんだから関係ないですね。

現代の視聴者は楽に見れて中身の無い温泉をテレビに求めているわけで、その意味で言えばあまり有名でない時代で、陰謀が錯綜する本作が視聴率が上がるはずもないでしょう。

しかしガンダムやエヴァや、輪るピングドラムといった名作は、視聴率が苦戦したものの、終わった後の

「あの作品みた。まじでやばいよねー」

という口コミから時代に輝く名作の地位を得ました。

本作も間違いなくその路線に乗る作品です。

なので我々は、視聴率やその他のガヤは気にせず本作を楽しみましょう。

引き続きどこかのタイミングで雑感をアップしていきます。

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