<雑記>チケットを巡る省察

雑記

この前、電車で出かけた時、ちょっとした揉め事に遭遇しました。

白髪でドレッドヘアーの腰の曲がったおばあさんが、席に座りながら、目の前の大学生っぽい青年にキレている様子。

話を聞くに、青年が自主的に席を譲らなかったことに怒っているらしい。

「私はねえ、市長から席を譲ってもらうように許可をもらっているんだよ!!」

「アンタはそれなのに本当に根性がネジくれ曲がっている」

「私はねえ、体も弱っているからねえ、席を座れるチケットも行政からもらってるんだよ!」

その大学生のは見るからに普通の感じの良い青年であり、気付いてすんなり席を譲ったんだから、いいじゃないかと思うものの、おばあさんの怒りは止まりません。

おばあさんはスマホでどこかに電話をかけ始めます。

「もしもし役所の方、今ねえ、電車の中でひどいことがあったのよ。こんなにつらいのに虐げられたの、駅でそいつを捕まえて頂戴」

もはや言ってることはめちゃくちゃですが、そのおばあさんの独壇場は止まりません。なるべくなら皆、他の車両に移りたいのですが、車内は良い感じに混んでおり身動きが出来ません。大学生の青年も諦めて音楽を聴き始めました。←これはこれですごい

しかしここで思いもよらぬ悲劇が私に襲い掛かります。

おばあさんは電話で青年の格好を役所の人に伝え始めました。

「若い男性でね、青いポロシャツを着て、ズボンは黒くて、リュックを背負っているの。後少しで着くから、駅でそいつを捕まえて頂戴」

そうなのです。その青年はまさにまるっとそっくり私と同じ格好をしていたのです。

咄嗟に、青い制服に身を包んだ角刈りのタフガイたちに囲まれ、拳でどつき回される自分の姿が脳内に映ります。

私は駅に着いた瞬間、すり抜けダッシュを連続、舞うように人と人との間を抜け、その地域を離脱。駅ビルの中に避難しました。

あやうく無実の罪でタフガイたちに拳の洗礼を受けるところでしたが、寸前の所で回避しました。←冷静に考えると、そもそも警察は来ない

呼吸を整える為、カフェに入る私。

しかし最近本当にああいう手合いが増えてきました。

絡まれた大学生の青年に対し心底同情してしまいます。

さてさてコーヒーを飲み、気持ちが落ち着いてくると、あるワードの違和感が頭の中に残っているのに気付きます。そう、電車で座れるチケットというワード。

それに関しては、おばあさんの妄想の産物でしょうが、チケットというのは傘と同様に、もう少しアップデートもとい、色々な可能性を秘めている存在な気が前からしていたのです。

私はよく、大黒屋のチケット売り場とかが好きで、たまに18切符の1回券を買ったりするのですが、もしチケット販売店に一風変わったチケットが並んでいたら、人生の彩りがより重層的に輝き、深みとコクの芳醇な匂いを放ち、一つ上の有意義な日々を送れるのではないでしょうか。

例えば「どこの社食でも、自由に出入りして食べれるチケット」

そこで友人たちと任天堂とソニーのかけそばの出汁の違いを比べるのも楽しいかもしれません。

「料理のコースが自動的に一つ上がるチケット」

これなんかもいいです。梅は竹に、60分食べ放題は90分食べ放題に、このチケットは料理以外も効くのでネットフリックスのスタンダードプランもプレミアムプランになります。

一風変わったものだと「首都高の通行止めを一台だけ通過できるチケット」なんかも魅力的かもしれません。

誰もいない工事中のハイウェイを華麗に飛ばせば、彼女のハートもがっちりラナウェイで、ノリ的に二人はウェイウェイ。ただし途切れた道路から落下した場合は自己責任で保険も下りません。

もう少し遊び心があるやつなら「山手線の外回りを内回りに変えるリバースチケット」何かがおすすめです。

これは自分がストレスがたまった時に発動させて、ストレスを解消しましょう。その分他の人間のストレスがマックスですが、この世はストレスの押し付け合いの戦場。生ぬるいことは言っていられません。

しかし私が個人的に気になるのは「喫煙所の会話を盗み聞き出来るオンラインライブチケット」です。

私は喘息持ちで煙草を吸えないので、あの場所でどういう社交トークが繰り広げられているのかは、永遠に謎であり、踊るライトを見つめてもその謎はとけそうにありません。あの場の独特の雰囲気に興味があるのです。

そう思うと普段見れない会話や会議をライブで見れるチケットというのは需要がありそうです。

その意味で一番見たいのは「首相官邸の会議のライブチケット」です。

あんだけめちゃくちゃな事ばかりするわけですから、きっと会議の8割くらいがビンゴ大会で、残りの2割はUNOとかしてるに違いありません。

↓画像です

そんなことを考えていたら、いつの間に時間が経ち、コーヒーは冷え切っていました。私はカフェのお会計を済ませます。

その時、私は自分のスカスカな財布の中身を見て、一番欲しいチケットを理解しました。

誰か私に日本銀行券(諭吉バージョン)を下さい・・・

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