<雑記>闇の文学のすすめ

雑記

仙台旅で買った澁澤龍彦先生の「ドラコニアの夢」

これは作者によるおすすめ作品の紹介やエッセイ、文学論などをまとめた本ですが、いかんせん、紹介される作品やそれを紹介する語り口が蠱惑的で、ゾクゾクするような感覚を感じながら読了しました。

元々、澁澤龍彦氏の作品については「快楽主義の哲学」という作品を過去に読了しており、その時も「既成概念をもろともしないとんでもないことを書いているな」と、衝撃を持って読破したのを覚えているのですが、今回久々に読んでみて澁澤ワールドの魅力にどっぷりつかっています。

そんなわけで澁澤氏の小説作品も読んでいこうと考えているのですが、まずはとにかく「ドラコニアの夢」の中で紹介された作品を読みたくてたまらない!

そう思い購入したラインナップがこれです。

見事にくせのある作品の集まりである笑

この中で現時点で読破したのは「黒猫・黄金虫」「ドグラ・マグラ」「さかしま」ですが、まあどれをとってもクセと珍味のごった煮のような作品であり、間違っても気になる女の子なんかにおすすめしたら嫌われること間違いなし笑

内容としては、退廃的、精神錯誤、遺伝、異常性欲などなど、簡潔に言うなれば欲望や闇の文学に属する系譜の作品たちです。

個人的に村上春樹さんの作品は、人間の集合的無意識を光の方向へと導くような作品が多いと思っているのですが、上記の作品はその方向性とは逆方向。

しかし光とは闇があればより輝くし、その逆もまた然り。

身を焦がす欲望もまた人生を彩り楽しむためには必要不可欠でございましょう←いきなり口調がきもい

また上記の作品には、共通して深い人間精神の洞察という側面がありますので(過剰にねじ曲がっているが)、その意味で読んで見て得るものは確実にある、そんなことを思います。

私は最近常々思うのですが、よく「本を読むことが大事だ」と様々な分野の学者先生が言いますが、心を動かす優れた本には必ず毒もまた含まれていることを明言した方がいいのかなと思うのです。

おそらく地球上のあらゆる全てのことには一定数の毒が含まれているもので、逆にそれが無いものは、ぼんやりとしているだけのマッサージ器のような作品であり、何も心は動かされない、そんなことを思います。

つまりは作品から薬をどのくらい取り出すか、毒をどのくらい受け入れるかは読者の裁量しだいということ。

その様な制限の無い自由さこそ読書の醍醐味だと思います。

そんなわけで自分の人生の色に暗黒の要素を足すために、私はいま闇の文学摂取期間の真っ最中なのです。

念願だったドグラ・マグラも読了し、日本三大奇書の一つをクリア出来たので、どこかのタイミングで全て読破したなら、日本三大奇書の考察なんかも出来ればいいなあ、そんなことを考えています。

何だかよくわからないモノを目指し、ブログやってます
本の書評や考察・日々感じたこと・ショートストーリーを書いてるので、良かったら見て下さい♪

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