<雑記>コミュニケーションのかび

雑記

先日、私はお気に入りのラーメン屋に食事をしにいきました。

そのお店では地元では珍しく、本格的な煮干しスープが堪能できる店で、コンクリートのような灰色の濃いスープが私のアドレナリンを刺激するからこそ、私は今大地に立っているといっても過言ではありません←すいません過言でした

そのお店は、カウンターしか席が無い、割と狭めな店なので、いつ行っても10分位は並ぶんですが、その日は何とラッキーなことにすぐに入れました。

さてさていつも通り、私の大好きな「濃い目」を頼み、ラーメンが出来るのを待っていると、髭がもじゃもじゃじている白髪のおじさんが入ってきました。

「おうっ」

と一言、店員さんに声をかけたことから、店員さんなのかと思ったんですが、鼻歌を歌いながら食券を買っているので、お客さんなのでしょう。

食券を買い、座るもじゃもじゃおじさん、するとすぐさま店員に「どうスープ調子いい」と声をかけます。

この時点で若干「おやおや」と思ったんですが、とりまここは気にせずに自分のラーメンを待つことに集中します。

しかしその集中を乱して来るもじゃさん(以下、この名称で統一)

「最近上手いラーメン屋が減った」「体の調子が良くない」「どう最近パチンコ行ってる」

などなどなかなか中級レベルのダルい言葉のパンチたちを次々繰り出します。店員さんも空気を読んで返しているものの、明らかに対応に困っている感が滲み出ています。

とはいえ、まあこの程度の常連おじさんはどの世界にもいるもの。私は海外旅行に行った時にタクシーから流れる外国語のラジオのごとく、華麗に聞き流していました。

そんなこんなでもじゃさんを無視しているうちに、私のラーメンが無事に着丼。にぼしのスープに細胞が蘇っていくのを感じながら、麺をすするという極上の時間を堪能していました。

個人的な趣向なのですが、私はチャーシューを、麺を半分食べたあたりの中盤戦で食べるのが好きです。そんなこんなで、いよいよチャーシューの時間と言う時、ちょうどもじゃさんのラーメンが着丼。

すると着丼すると同時に、もじゃさんが厳しい声で

「これ麺が少ねえんじゃねえか」

と言い放ちました。

シーンとする店内。私は瞬間、箸からチャーシューを落しました。

少し緊迫した空気が続いた後、もじゃさんは急に態度をコロッと変え

「なんてな、こんなもんだよな」

そう笑いながら言ったのです。

その後店は普通の空気に戻ったわけですが、私の中の空気はガラリと変わりました。

私はもじゃさんに対しての猛烈な怒りを止めることが出来なくなっていたのです。

ラーメンを食べ終えてからも、収まることが無い怒り。

私はクールダウンするために、マックでコーヒーを買い、落ち着いて怒りの理由を考えることにしました。

まず怒りの理由としては、他の人の食事の空気を破壊したことでしょう。

ラーメン屋の狭い空間というのは独特の雰囲気があり、その雰囲気もまた魅力なはず。

なのに自分勝手で独りよがりなコミュニケーションでそれをぶち壊したのです。これが一つ。

次に、麺が少ないというのは、おそらく完全ないちゃもんに過ぎないということです。

なぜならそのお店は一杯ずつかなり丁寧に作るこだわりがあるお店であり、私が通っている中で一回も麺が少ないことなんて無かったのです。

しかも、もじゃさんの丼は私から完全に見える位置にありましたが、全くいつも通りのラーメンでした(そもそも灰色のドロドロスープなので一瞬見て麺が少ないなんて分かるはずがない)

このことと前後のコミュニケーションの感じから察するに、もじゃさんは「常連」という肩書を理由に、かまってほしいという理由だけで、上記の発言をした可能性が高いということです。

私はこういうコミュニケーションに擬態した一方通行的な行為を、コミュニケーションのかびだと思っています。

なんというか嫌なざらざら感と、生臭い匂いをこういうコミュニケーションから感じてしまうのです。

日常の中で、こういう場面に出くわすと、胃の中がむかむかし、とても気持ち悪くなってしまいます。

別に私は常連コミュニケーションそのものを否定しているわけではないのです。

私は常連という権力を盾に、自分のちんけな淋しさや欲望を紛らわす行為がとても嫌なのです。

私自身は、良く行く店が結構ありますが、極力常連であることを隠したい、シャドウ常連タイプです←これはこれで自意識過剰な気がするよね

そんなわけで私はそんなコミュニケーションのかびの匂いを嗅ぐと、しばらく機嫌が悪くなり、むかむかし、脳内が熱くなってしまうのです。

しかし1時間くらいすると、いつも私はあることに気付きます。

「自分の人生の目標は寛容であることではないか」と!←数年前からの人生の目標

そして自宅でずーんと気持ちが落ち込むわけです。

いつか、色んな事にイライラしない優しい人間になれればな、そんなことを思う、今日この頃でした。

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