私はよく人にぶつかります。
視界が晴れていて見渡せるところでは、もちろんスイスイとウナギのように華麗に進むので、そんなことはありませんが←ウナギだと何かヌメヌメしてそう
例えば、駅や商業施設のトイレで、奥に行くには壁に遮られており、そこを曲がって進んでいかなくてはならない場合、ほぼ百発百中で、私が行こうとするタイミングで人が出てきます。
それはまるで何者かが、私をアクションゲームの主人公と勘違いし、「必ず敵キャラを配置しなくてはならない!」という執念に取りつかれているのかと思う位なのです。
なのでそういう場所では、かなり気を張って行動するのですが、とはいえ私はすぐに違う精神世界へワープしてしまう脳味噌の持ち主です。
なのでそんなことを忘れ、緊張感を欠き「ほげー」とてくてく歩いていると、壁の向こうから出てくる彼らに、ズシンと当たり、案の定、気まずい空気が流れるのです。
さて、このアトラクションの難しいところは、壁から出てくるのを待てば避けれるわけではないということです。
「おっ、このトイレも奥に行くには壁を曲がらなくてはいけないタイプだぞ! しかし今日という今日は、私とてやられてばかりではないぞ。ふっふっふ、ここで華麗に待ちをかまして、このアトラクションをクリアしてやろうではないか!」
そう思い、壁の前で立ち止まると、後ろの人が私にアタックをかまし、私はぎゃふんという悲しい声と共に、案の定、気まずい空気が再び流れるのです。
ここまで書いてみて、「いやいやそれは、お前がタイミングが悪いだけか、もしくは過剰に物事を感じてるだけだ」と思う人がいると思いますが、そんな人には是非、私の体を1時間あたり10フランで貸してあげたいです(もれなく頻尿も付いてきます)
そんなわけで、私は「見渡せない壁恐怖症」なのですが、どれくらい怖いかというと、もしいきなり目覚めて、どこか知らない場所にいて
「さて、ここにいる君たち50人には、今からこの巨大迷路にチャレンジしてもらう。もし制限時間以内に出れなかったら、どうなるか分からない、せいぜい頑張りたまえ」
と黒い仮面のゲームマスターに言われたところで、私は自分がどうなるかということより、その50人と必ず突き当りでぶつかるだろうことの方が恐い位、私は見渡せない壁が恐いのです。
なので、未来に期待するのは、人が赤い点でレーダーに映るような、スカウタータイプの機械が開発されることです。
そうすれば、私は駅や施設のトイレも、江戸の川を泳ぐあなごのようにスイスイ移動できるでしょうし、ゲームマスターの忠告に沿って迷路をクリアすることに集中出来ることでしょう。
そんなわけで今の私は未来に期待するところ大なのです。
なぜなら、世界はきっと今日より明日の方がよくなっているはずなのだから!←最近暗くなりがちな自分に言い聞かせてるセリフ