<雑記>蛙化と倒錯

雑記

ドストエフスキーの「白痴」をかなり前ですが読み終えました。

これで一応、五大長編の全てを読み終え、上半期の緩い読書目標は達成したわけです←一体どのくらいかかってるんだ笑

そして個人的に「白痴」に関しては、かなり衝撃を受けました。

思えば「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」は、深い人間心理や、悪魔的な心の因習、不合理な欲望などに充ちた刺激的な読書体験でした。

しかし「白痴」に関しては、終盤からラストへの流れの、殴られたような衝撃は半端なく、読了後、どこかに放り投げられたような感覚に陥りました。

どこかでドストエフスキー、特に五大長編に関しては自分なりに形に出来ればと思ってます。

そんなドストエフスキーの小説ですが、共通テーマに「倒錯」という心の動きがあると思います。

ドストエフスキー作品における倒錯は、自分の意志に反することをあえて言ってしまったり、一貫した行動目標が分かっているのに、その逆の行動を取ってしまうことが描かれ、そしてそこに作者は、ダメさだけでなく、人間の興味深さや希望も見ているように思います。

そんな時、ふと巷で言われている「蛙化」について考えました。

本来の意味の「蛙化」は、好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に対して嫌悪感を持つようになる現象であり、これに関しては本当に苦しんでる人もいる為、今回取り上げるのは本来的意味の「蛙化」ではありません。

今回言及するのは「ふとした時に恋人に引く10のこと」みたいなノリで、ファッション化されエンタメ化されている方の「蛙化」についてです←以下、ファッション蛙化とします

財布を出したら引く、フードコートをうろうろしてる後姿に引く、改札で上手く通れないと引く等、これもまたある種、倒錯の一種です。

ドストエフスキーの倒錯の方は、黙ってた方が得だと分かってる場であえてべらべら喋ってしまったり、自分が愛した人と両想いなのに、自分が釣り合わない・汚れてると思い、他の男へ走ってしまったりという様なもので、その責任は自分にあり、そして自分自身が違う行動へと跳躍するような「動的なもの」です。

一方、ファッション蛙化は、単に自分が作り上げた理想の相手に勝手に幻滅してるだけで、本能的反応であり、そしてこれは自分に対して何のダメージもなく、何の跳躍もない、自分だけ評価者という安全圏にいる消費者的な姑息さがある「静的なもの」です。

ただし動画や、カフェで話している学生のノリを聞いていると、そんなに真剣に考えているのではなく、単純に恋愛エンタメの一種として楽しんでいるんだなあとも思います。

しかし突き詰めて考えると本質的には、上記の特徴がある上、さらにこのムーブには結構深刻な問題があるのではとも思うのです。

なぜならこのファッション蛙化は、男女間の分断を加速する方向性なのは間違いないからです。

ファッション蛙化を言っている女子には一つ盲点があります。

それは裏を返せば、自分自身がファッション蛙化にさらされることです。

案の定、この前ショート動画で「女子の行動で一気に冷めること」という動画が上がってるのを見て、頭を抱えてしまいました。

こうなってくると、もう単純に戦争の構図で、やられたらやり返すという自衛権の発露です。

まあまだやり返す男の子はいいでしょうが←良くはない

大勢の男の子は、繊細でメンタルが弱くなっているため、こういうことを言われるくらいなら、恋愛現場には参戦せず、スマホのコンテンツで欲望を消化し、どんどん傍観者になっていきます。

となると当たり前ですが、女の子たちは数少ないメンタル強め男子(結構クズも多い)と付き合うしかなく、あぶれた女の子もまた恋愛現場から遠ざかっていくわけです。

そんなわけで、ユーチューバーは単に視聴回数が稼げるからやってるだけなのでしょうが、実はかなり実害が多いのがこのファッション蛙化です。

そもそも、簡単に言ってしまえば、このファッション蛙化は「心が狭い」その一言に尽きるわけです。

さらに言うなら、人間は剥き出しの食欲や性欲などの欲望を、優しさや愛などの理性によりコントロールし協調していくことで進化していったわけですが、ファッション蛙化は本能の感じたまま、それを無条件に採用する、獣的な現象で、非常に程度の低い本能的なムーブです。

なので自分たちの恋愛を狭めないように、一刻も早く若い人たちは軽々しく「蛙化」というのはやめた方がいいでしょう。

最近、私はZ世代についてよく考えるのですが、少し前までは私のロスジェネ世代よりは良くなっていると思ってたのですが、大分雲行きは怪しいかもしれません。

世代論で全てくくることは出来ないですし、最終的に個人個人が全てですが、Z世代はものすごく考えている子と、表層主義の子がとんでもなく二極化している気がするのです。(Z世代論に関しては、興味深いのでどこかでもう少し真剣に考えたい)

とまあ、一応「かえる文学」というブログなので、「蛙化」について考えてみました。

私は、わくわくを探し、色んな人とその発見を共有するようなかえるとして、今後もブログを続けていきたいと思います♪

何だかよくわからないモノを目指し、ブログやってます
本の書評や考察・日々感じたこと・ショートストーリーを書いてるので、良かったら見て下さい♪

かえる文学をフォローする
全記事雑記
シェアする
かえる文学をフォローする
タイトルとURLをコピーしました