<雑記>コペルニクス的前言撤回

雑記

意見を180度変える人というのがいます。

昨日まであの歌手の気取った歌い方が気に食わないとか言ってたのに、翌日には雑誌のインタビュー見たら割としっかりした受け答えしてて、なんだか好きになっちゃったんだよねー

とかいう輩のことです。


そして何を隠そう、それが私です。


まあ、自分でもびっくりするくらいの前言撤回!

コペルニクスでも船酔いするくらいの大回転を立ちまわります。


今でも覚えているのが、初めて世にウォシュレットが出てきたころ、私は

「自分の尻を拭くことすら文明の利器に頼るようでは、地球の歴史ももう長くはないな」

などど周りに吹聴していました。

しかしあるとき好奇心で一回使ってみた所、あまりの清浄感と心地のよさにうっとり。

「思えば人間と水は常に身近にあった。また一つ水との距離が近付いたのはよきことかな」

とこじつけオブこじつけ理論で、何食わぬ顔で推進派に鞍替えしたのです。




またうちの母親は昔から、絵画が好きでよく美術館に行っていたのですが

「また意識高いアピールしやがって、あんな静止画見るくらいだったら、ドラえもんの映画を3本一気に見るわ!」

とおしゃれに巣食う民だと馬鹿にしていたのですが、今は

「アートや絵画が実はあらゆることの結晶が凝縮されていて一番面白い!」

と思うようになりました。


さらには大学時代、よく旅に出かける友人に対し

「僕は外で何かを見るより、何かを読んだりして内面を高めたいんだ(どや顔)」

と言ったりして、面倒くさがられたりしてましたが

「自分の内面はあらゆる五感、経験が形作るモノ。旅の無い人生など考えられない!」

という意見を久しぶりに会ったその友人に披露したら、割と強めに肩を殴られました。


いま思い返しても、とんだ前言撤回野郎ですが、最初からこんなのではなかったのです。

むしろ、昔は信念とか職人気質に憧れて

「自分の発言に重みを持ち、生き様や信念が柱のようにそびえている人間になるのだ!」

と思っていたはずなのです。

いつの間にこんなことになったのだろうか・・・


そんなことが深夜に気になりだし、眠れなくなったので、もういさぎよく起きることにして、自分の変化のきっかけを考えてみました。


あれやこれや色々原因は思い当たりますが、やっぱり自分に一番影響を与えたのは読書でした。

私は、思いこみが激しく、やわらかい印象のくせに頑固野郎という面倒くさい人間なのですが、自分の考えにとらわれず色んな本を読むという習慣を、親が意識的に習得させてくれた為、色んな本に触れる機会がありました。

そうして読書を重ねていくと、自分のスタンスとか面白いという定義が、もしかしたらものすごく浅かったり、狭かったりするのでは?ということに直面せざるをえなくなるわけです。

そもそも、自分自身の考えなんて、世間にあふれかえっている浅ーい情報の中から作り上げた、スカスカのバームクーヘンみたいな見せかけの重なりでしかないわけで、考え抜いて苦しみぬいて一生を捧げて使い切った、もしくは奇抜な世界に耽溺し常軌を逸するほどに沈み込んだ、偉人や文豪の古典の純度にはかなうはずがないのです。

それに気づいた20代後半の晩秋のある日、私は決めたのです。

前言撤回をし続けて、常に過去を破壊し、未来へ眼を向けようと(文字で見ると安い政治のスローガンみたい)

この時に、自分の変化を受け入れずに、今までどおりいくっていう可能性もあったと思うんですが、一回過去の自分を否定してみると、これがめちゃくちゃ心地よいわけです。

今まで否定してきたものというのは、ある意味で自分が一番知らない未知の世界だったりするので、なんか世界がかなり広がった感じがありますし。

また今まで盲目的に信じてたものも、一回距離を置くことで冷静に分析できるようになっていたりもします。

これだから過去の破壊はやめれません(やりすぎると危険な予感もアリ)


けっこう多くの人が、自分の学生時代に経験した初期衝動をエネルギーに変えて、物事に取り組んでいたりすると思います。(それは全然悪いことではない)

しかし自分は初期衝動なんかよりも、今の衝動の方が常に面白い!ゆえに自己破壊し組み立て続ける!

みたいな感じで生きていきたいと思うのです。

もしどこかの下町で、野垂れ死にそうになってる男を見つけたら、それは心身共々こんがらかった私かもしれないので、その時はおかかのおにぎりでも恵んでください。

そして一緒に河原で並んで食べてくれたら、嬉しいな(いつもこんな終わり方・・・)

何だかよくわからないモノを目指し、ブログやってます
本の書評や考察・日々感じたこと・ショートストーリーを書いてるので、良かったら見て下さい♪

かえる文学をフォローする
全記事雑記
シェアする
かえる文学をフォローする
タイトルとURLをコピーしました