<雑記>遊び心

雑記

最近SF系の小説ばかり読んでいるからか、ぼーっとしているときにこんなことを考えます。

動物や植物等あらゆるものは作り手がいて、そしてその人たちが、生命の生地に型を押し付けて出来上がったものが(クッキーみたいな感じ)、地球に送り込まれたのではないかと。

その場合、まず作るのは植物とか、果物みたいな簡単なものでしょう。

いきなり動物みたいな応用編を作ったら、型にOKを出す本社の型制作部の課長が

「まずは、基本形からだろうが、何度言えば分かる!!」

と怒ってくるのは自明の理な気がします。

まずは、単純に「木」であったり「りんご」あたりの型の設計図を提出すれば、みんなが安心して仕事が出来るはずです。

ここら辺は基本形ばかりなので、作業は順調に進むにちがいありません。

さてここらで、本社も心の余裕が出てきて、「いよいよ動物か」みたいな空気になり、ここで動物の型の制作が始まります。

最初に怒られた経験から、型のデザイン部も、ベタにまず「牛」や「豚」など、四足歩行の動物を送るに違いありません。

そして型の海洋事業部も、まずは「クラゲ」とか「魚」みたいな基本形のデザインを何種類も製作するでしょう。

そんなこんなで一か月くらいしたら、地球の生態系の基本的な動物たちが完成してきます。

そのころには心の余裕も出てきて、かつ単純作業に飽きているでしょうから、おそらくデザイン部の若手が少しふざけはじめます。

やたら首が長い「キリン」や、鼻が長い「ゾウ」みたいなのをやっつけで提出。

それを見た本社の人も、これぐらいならいいかとOKを出し、そこからは奇抜なデザイン大会が始まります。

若手の女の子が、美意識全開で「クジャク」を作り、オタクの男子がフンというパーツもありきの、フンコロガシという昆虫を同僚に白い目で見られながら納品します。

海洋部は陽キャの集まりなので、悪ふざけが過ぎて、ほとんどの奇抜なデザインが、深海生物のハンコを押されてしまいます。

さて、もうそろそろ生物製作も終わりかなと思ったところ、新卒の社員がおそるおそる自分のデザインを引き出しから出します。

それは二足歩行のデザインで、縦の長い棒に頭と手があるといった、なんだかよく分からないものでした。

とりあえず本社に送ってみるものの、上層部は紛糾します。

デザインより何より、二足歩行のバランスの悪さが問題でした。


「果たしてこれでちゃんと歩行が出来るのかね」

「しかも、縦にやたら長いぞ。さらにバランスが悪いじゃないか」

「しかし頭が小さいからなんとかなるんじゃないか」


最初は否定的な雰囲気だったものの、見れば見るほど何だか滑稽で愛せるデザインに見えてきて、上層部にもだんだん容認論が広がります。

残業続きで疲れていたのもあり、最終的にはOKを出します。

そして重役たちは休みを取りたいので、このデザインの仕上げは現場一任にしてしまいました。


これを聞いた現場はテンションが上がります。

現場一任という自由裁量を最大限楽しもうという雰囲気がデザイン部を支配しました。

とはいえ、この二足歩行の棒みたいなデザインのみ自由にしていいということで、他の生物を勝手に作っていいということではありません。

なので、このデザインに皆の要望が詰め込まれることになります。

まずデザインがいきなり二種類になりました。

一つを直線的、もう一つを曲線的な丸みを帯びたデザインにしました。

しかし困ったことに、曲線的なデザインのため、このままではどう考えてもバランスが取れず、立つことが出来ずに倒れてしまいます。

苦肉の策として、胸の部分に丸いこぶみたいな物を取り付けバランスをとることにしました。


しかしそうなると、直線のデザインの方が寂しく見えてきます。

胸に何かをつけようにも、元々バランスが取れてるのに、余計な物をつけても前に倒れるだけです。

いくら考えても何も思いつかないので、足の付け根のあたりに何か、バランスが取れそうな適当な物を取り付けました。

みんな、これはおかしいなあと思いながら、見て見ぬふりをしました。


そう、このころには自由にも飽き飽きしてどうでもよくなっていたのです。




というわけで、二種類のデザインを提出。

仕事は全て終わり、あとは地球を観察するのみになります。


しかし、思いもよらぬことがここで起きます。

適当に作った、二足歩行の動物は、最初はバランスが崩れ転んでいたものの、徐々に上手く立つコツを覚え、そしてそれがかなり脳みそを使うことになり頭脳が発達、徐々に他の生物を圧倒し始めたのです。

これにはみんなびっくりしました。

遊び心で適当に作ったものが、こんな結果を生み出すとは想像していなかったのです。

あげく、脳が進化した彼らは、ドラゴンや、ミノタウロスなど、さらなる遊び心丸出しの生物を自ら考え出していきました。

これはえらいことになる、上層部はお通夜のような雰囲気で、宇宙官邸に向かい惑星地球プロジェクトの経過を報告します。

黙って聞いていた、白い髭の宇宙のドンは最後に、にっこり笑顔。

「これでよいのだ。大事なのは多様性と想像力じゃ。これで宇宙もまた広がるわい」

そうつまりこの世で何より大事なのは遊び心!!

何の役にも立たないふざけたものが世界を救うのだ。



こんなことを昨日考えていたら、夜の3時になってました。

とりあえずあったかいコーヒーを飲んで眠りにつきましたよー♪(どんな終わり方なのだ)

何だかよくわからないモノを目指し、ブログやってます
本の書評や考察・日々感じたこと・ショートストーリーを書いてるので、良かったら見て下さい♪

かえる文学をフォローする
全記事雑記
かえる文学をフォローする
かえる文学
タイトルとURLをコピーしました