<雑記>脳感覚の不条理とオムライス

雑記

最近、つくづく自分の脳の不規則さ、どうにもならなさに困っています。

この前、急にとんかつが食べたくなり、スマホで調べて食べログで評価の高いお店に並んだのですが、後少しでお店の中に入れるというタイミングで

「あれ今俺全然とんかつ食べたくないぞ」

という感覚を脳が感知してしまったのです。むしろその時はラーメン二郎が食べたくなっていました。

私は今まで生きてきてこういう事が多々あります。いえむしろこんなことばかりだと言っていい。

旅先で市場の美味しいお寿司屋さんを巡ろうと思っていたのに、市場に来てハンバーグが食べたくなったり、美味しいステーキを食べている時に自分が今、実は全く肉を欲していないことに気づいたりと、正直言って私は私自身の脳感覚の気ままさを完全に持てあましています。

この突如来る啓示のような感じは、肌で感じる「寒い」とか「熱い」という様な感覚に近く、その意味で意識によって避けることは出来ません。

私はこれを「脳感覚」と勝手に名付けているのですが、こいつがまあ行ったり来たりを繰り返し、その気ままさは悪魔の所業。

そんなわけで私は旅先でも、ランチにおいて気まぐれな感覚に耳を澄ませ、自分の欲望の行動をある程度予想しなくてはなりません。

そして予想したところで、その動きを制御出来るはずもなく、私はさわやかのハンバーグを食べながらかんぱちのお寿司に思いを馳せ、ラーメンをすすりながら、親子丼の夢を見るわけです。

話は変わりますが、私は最近、関内でのランチ巡りにはまっています。

もちろん横浜駅のことは許す気もないですし、横浜駅にしたって私に許されたくもないでしょうし、そもそも私みたいな存在のことを歯牙にもかけていないでしょうが(長い)

関内エリアであれば横浜駅から下りて行く必要もなく、最寄りの駅も比較的快適です。

関内や伊勢佐木町のいいところは、昔ながらの洋食屋さんとか、町中華がめちゃくちゃ豊富なところです。

そしてまあ大体が千円以下でランチを楽しめますし、しかもあまり混んでいません。ゆえに私のような脳感覚の気まぐれに悩まされる人でも、瞬間的に美味しそうな店に直観的に入ることが出来ます。

そんなわけで今日、私は老舗の洋食屋でオムライスを食べました。

昨今、町中華ブームもあり、中華屋さんはどこにでもかなりの数がありますが、洋食屋さんはかなり少なくなったイメージがあります。

今の時代スマホで簡単にメニューやレシピを調べられるようになり、ハンバーグとかポークソテーとかは家でも美味しい物を作れるようになりました。

ゆえに洋食屋というのは結構厳しい戦いを強いられています。

中華に関しては、やっぱり家で作るのには結構限界があるし、かつ町中華は安い為、非常にいい状況で戦える状況にあるのとは雲泥の差であるように思うのです。

それでも私が洋食屋さんが好きなのは、そのお店でしか出せない細かいニュアンスのようなものがあるからです。

それはある時はハンバーグの絶妙な焼き加減や柔らかさ、お店自体の雰囲気であることもありますが、ただいかんせん分りにくいことは分かりにくい気もします。

また洋食屋さんのお食事は食べ終えて半分くらいで「あっ、この味何か好きだな」となることが多いのも魅力の一つですが、積極的にあまり選ばれない理由でもあるかもしれません。

しかし私は洋食屋さんが大好き。

そんなわけで今日も、老舗の洋食屋さんにえいやと飛び込み、昔ながらのオムライスを食べました。

そう言えば昔何かのドラマで「オムライスはチキンライスが主役だ」という言葉を耳にしたことがあります。

それを見た学生の時は「へっ、何言ってやがるんだ。卵が主役に決まってんだろ」と特に深く考えずに思っていましたが、今冷静に考えてみるとオムライスのヤロウの9割が完全にチキンライスです。

つまり主役は完全にチキンライスに決まっているわけで、卵なんてのは完全なる掛布団に過ぎません。

そして色々経験したからこそ分かることですが(なんか生意気)、チキンライスというのは実は単体でもかなりのポテンシャルを秘めている存在です。

私の地元でランチでチキンライスを出すお店がありますが、巨大な鶏肉がごてごて入っていて、ケチャップの味付けも含め、本当に美味しいのです。

そう思うとチキンライスくらい、実力もあり頑張っているのに報われない存在というのも無い気がしてきます。

どう考えてもオムライスよりも原初、根源たる存在なのに、世間ではオムライスになれなかった夢破れ人みたいな扱いを受けています。

本当はチキンライスがたまたま卵を羽織ってあげているのがオムライスのはずなのです。

さらによくよく考えて見ると、チキンライスの方が料理がシンプルで分かりやすい力強さがあります。

その点オムライスなんて正に重ね着の権化、布団かぶり飯の典型です。

そもそも卵というセーターをかぶせてもらってる上に、ケチャップというアウターまでも要求しているわけですから、こいつは救えません。重ねすぎです。

しかもチキンライスそのものにケチャップが入っているわけですから、これはもう毛布の上に、布団をかけ、その上に毛布をまた掛けていると言う様な、重ね着の本末転倒、お笑い種の根無し草です。

そんなことを考えていたら、オムライスが美味しかったはずなのに、少しだけ憎らしくなってきてしまい、そのテンションのまま店を出てしまいました。

私は純粋にランチを楽しめる人間になりたいです。

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