ソローキン先生の「ロマン」を読了してしまった・・・
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なんというかとんでもないものを読んでしまった感。
中盤後半まではいわゆるのどかな田園小説なわけで、結構丁寧に読み進めていくわけですが、もはや後半に関しては、進みがいやおうもなくスピードアップします笑(読んだ人なら意味が分かる)
さすが文学界のデストロイヤー! その徹底的なやり口は、かなりえぐく激烈。
しかし不思議なことに、もはや後半になればなるほど声を出して笑ってしまう始末。
私はまだ「青い脂」と「ロマン」しか読んでないですが、この二作からソローキンさんに感じるのは、「アンチ文学」の姿勢です。
「文学はとっくに腐ってるし、もう死んでるんじゃあ」というような絶叫のようなものが、作品からほとばしっている感じがします。
私は文学が好きですが、こういうアプローチの作品もまた自分とは違う思想の地平を切り開き、かつ脳髄をどろどろにされるような刺激から、わくわくして読んでしまいます。
さらにいうならソローキンさんは文学が死んだと思っているものの、そんな「文学」自体は愛しているのではないかというのを読んでいて感じるのです。
そもそも「文学は腐ってるし死んでる」という作品それ自体が、非常に文学的とも言え、循環的な懐の深さみたいなものが文学にはあるような気がしますし、ゆえにソローキン作品は徹底的に文学を破壊しているようでいて、何だか新しく生まれている感もあるのが不思議なところ。
そんなわけでこれからも、他のソローキン作品をガンガン読んでいきたいと思います。
さて一方でこちらもつい最近買った「バテン・カイトス」
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知る人ぞ知る名作RPGのリマスターだそうですが、これまたとんでもなく面白い!(一緒に紹介してるけど、ロマンやソローキンとは何も関係ありません。ただ私がはまってるものを羅列しただけ)
システム的には、マグナスと呼ばれるカードを、攻撃ターンには自分のデッキから攻撃のマグナスを選び、敵の攻撃の時には防御のマグナスを選択していく・・・
というようなカードゲーム的なバトルを取り入れているのですが、これが面白いのです。
私はゲーム好きのゲーム下手であり、難しかったりバトルシステムが合わなかったりすると、すぐにゲームを投げ出してしまうのですが、そんな私ですら楽しめる革新的で創造的なシステム。
またストーリーも、さすがゼノギアスを手掛けたスタッフがいるモノリスソフトだけあり、どこかしら神への反逆や神殺しの様な雰囲気がぷんぷんします(今大体、中盤の後半くらい)
グラフィックの人物造営の粗さは最初気になりましたが、幻想的な背景と実は絶妙にマッチしており、何だかクセになるように世界観にのめり込んでしまっています。
個人的にはシェラというヒロインキャラは最初「何かピエロみたいな格好してるな」と思ってましたが、ゲームが進むにつれてその魅力にどんどん引き込まれていきました(めちゃくちゃいい子なのだ)
そんなわけでバテン・カイトスを楽しみつつ、ソローキン作品に戦々恐々としながら、読書の秋を優雅に過ごしていきたいと思う、今日この頃でした。