今、私はロシアの作家、ウラジーミル・ソローキンさんが書いた「青い脂」という作品を呼んでいます。
久しぶりに、読んでいて、脳髄を刺激され、脳汁が出まくるほどの体験をしており、なんというか文学の可能性というものを、体全体で感じています。
あらすじとしては
「7体の文学クローンから採取された不思議な物質「青い脂」がヒトラーとスターリンがヨーロッパを支配するもう一つの世界に送り込まれる」
といった感じで紹介されていますが、正直、これはめちゃくちゃ分かりやすく内容を抽出しています。
本文に関しては、造語の連発、エロ・グロ・ナンセンス、象徴、社会的問題提起、心理学などなどが、もうぐちゃぐちゃに詰め込まれているので、慣れるまではマジで「私は一体何を読んでいるんだろう」状態になるのが必定です笑
しかし本作は、読んでいて作者のエネルギー、何かを表現したい意志みたいなのが、ぎらぎらと煮えたぎっており、気付くと読むのが止まらず、いつの間にか作品の虜になってしまいます。
かなりエロ・グロ表現もあるのですが、ワードの組み合わせ自体が面白過ぎて、エロいというより笑っちゃうのも本作品のすごいところ。
私は常に好奇心の裾を広げ、新しい景色を見せてくれるものを探しているのですが、最近に関しては、王道的な良作はあれど、変で歪んだエネルギーに満ちた作品に出会うことはあまりなくなったなあ、と感じていました。
しかし、本作を読んで、脳の言語領域は覚醒され、何だか変な熱が体にたまりつつあります←何だかヤバい人風
かなりとっつきにくい本ではあると思いますが、読んだら間違いなく、未知の感覚を体験させてくれると思いますので、皆さんにも是非読んで欲しい一作です。