ここ百年の人類の進化は、とんでもないとよく言われます。
産業革命、インターネットなど、生活の利便性はかなり向上した模様。
しかし、そんななかで、おそらく実現までの可能性がかなり低いだろうと言わざるを得ないのが魔法の絨毯です。
子供のころ、アラビアンナイトの絵本で見た、空を飛ぶ魔法の絨毯。
あのワクワク感を生きているうちに見たい!!
しかし考えれば考えるほど最も実現性が不可能なのではと思ってしまいます。
現在、人類は飛行機という鉄のかたまりを空に浮かべることには成功しています。
そして、宇宙に行くロケットや、アメリカでは載せるだけで車を運ぶ通路を開発しようとしている人もいます。
この前、自分が「かえる劇場」で書いた、お菓子の家も資金力があれば実現できるでしょう。
しかし魔法の絨毯は絶望的です。
まずとにかく絨毯はぺらぺらしており、それに飛行システムを組み込むことは難儀でしょう。
飛行機やロケットしかり、飛行システムを組み込むには巨大なボディが必要で、絨毯なんぞ一反木綿みたいなものでは、面接にすらこぎつけられず書類審査で落とされることは請け合いでしょう。
さらに、飛行機などは、沢山の人を乗せることができ、その点でのポイントも高いです。
一方絨毯は、出来れば一人乗り、良くて二人、ぎりぎり核家族が限界です。
開発コストに見合う成果が得られず、これでは技術者もテンションが上がらないにちがいありません。
また飛行機の場合、機長やパイロット、スチュワーデスさんなどの雇用を生み出せますが、魔法の絨毯にその3人がいたら、3秒後には、地面に叩き落としているでしょう。
余談ですが、自分が好きなゲームでドラゴンクエスト6という作品があります。
その中に「空飛ぶベッド」というのが出てくるのです(これもかなりワクワク案件)
ベッドの実現性もかなり厳しいですが、それよりもさらに絨毯の方が条件は厳しいでしょう。
もし百年後、科学がさらに進化していたら出来るんではないか?
という可能性についても考えてみましたが、絨毯はここでも厳しい戦いを余儀なくされます。
例えば宇宙と地球を繋ぐ宇宙エレベーターなるものが出来たとしたら、まず空に浮かぶ空中都市の方が、先に出来る可能性があります。
空に住むことが出来た人類は壮大な景色に感動し、ぺらぺらした布のことなぞ頭の片隅にもないでしょう。
もし空を飛びたい!という願望が忘れられない人がいたとして、その場合、人類自身が補助機械をつけて飛べる、飛行人間セットなるものが開発され、自分自身が飛ぶ方向に向かう気がします。
そう絨毯は圧倒的にバランス感覚が悪いのです。
要は安全性という意味でかなりの難ありです。
絨毯に乗るよりは、自分に装置をつける方が、まだ落下の危険性は少ないでしょう。
もし、魔法の絨毯をよしんば開発したとしても、翌日の新聞には
「魔法の絨毯の飛行テストで、25人が落下。販売は絶望的か」
という記事が紙面に踊ることは間違いありません。
ペラペラしてるんだから、放り投げれば空飛ぶ絨毯じゃねえか、という一休さん崩れみたいなことを言う人がいそうですが、それは「弧を描き落下していく絨毯」で、私が求めているのは優雅に空を飛ぶ絨毯ですのでそこのところは勘違いしないでほしいです。
こうなってくると、企業や社会の経済システムに着目するしかありません。
絨毯の下の面に企業の広告を貼り、それを飛ばすという方法です。
人々が空を見上げたら、優雅な絨毯が空を飛んでおり、そこには企業の商品とキャッチフレーズと会社名のロゴがある。
うん、これは実現可能性がありそうな気がします。
しかし、もし青い空が、絨毯広告で埋め尽くされてしまったら、それは空ではなく、絨毯でしょう。
私は、空を絨毯にしたいわけではなくて、絨毯で空を飛びたいのです。
私の老後は、この魔法の絨毯問題の解決のために全ての労力を費やしていきたい、その決意表明とともに今回の文を終えたいと思います(なんのこっちゃ)