<雑記>ペルソナ5について

雑記

私は夏になると決まってゲームを1作クリアします。

特にそうしようと決めているわけではないのですが、太陽の光が強くなりセミが鳴き始めると、旅に出かけたくなるのと同時に、冷房が効いた部屋でファンタオレンジを片手にゲームをやりたくなるのです。

そして今年も何かゲームをやろうと思い探していたのですが、どうせなら面白いゲームをやりたい!

そんなときに目に入ったのが「ペルソナ5」というRPGゲームでした。

この「ペルソナ」というゲームは、界隈ではとても面白いことで有名で、いつも気になってはいたのです。

しかし私は「クロノ・トリガー」や「ファイナルファンタジー5」「ゼノギアス」を愛するスクエニっ子の自負があります。(無意味な自意識の発露)

なのでなかなか手が出なかったのですが、今回やはり新しい刺激を求めようと思い、ペルソナ5をプレイすることにしたのです。

そしてここからがペルソナ5をクリアした私の感想です。

それは

「えげつないほど圧巻的に面白れえええ!!」

という叫びや咆哮に似た衝動的感動でした。

そもそも2016年に発売されたゲームなので、やった人から見たら「何をいまさら案件」でしょうが、私は2022年現在において感動しているわけで、そこはお許しいただきたい。

そももとして普通のRPGは、「洞窟や城を探索して敵を倒しつつレベルアップして魔王を倒す」という構図を持っているのですが、ペルソナはまずここから違います。

ペルソナでは問題を引き起こしている悪い大人の心の中を冒険するのです。

そして悪い大人の欲望や執着の原因となってるモノを盗み出すことにより、その人自身から欲望や執着を失わせて、最終的に改心させることを目標にしているのでございます。

この時点ですごい設定です。

具体例で言うと、一番最初のターゲットになるパワハラ・セクハラ三昧の教師は、自分の心の中では学校を自分の欲望を実現する城だと思っています。

なので主人公たちは教師の心の中の、邪悪なお城を探索することになるわけです。

そしてそのお城にはシャドウと言われる邪悪な敵が跋扈してるわけですが、このシャドウについてもその教師が生み出した心の産物なわけです。

こうして考えてみると、ねじまき鳥の208号室や、海辺のカフカの深い森の奥等、深層心理を冒険する村上春樹作品と非常に共通した感覚を持っているのではとも思います。

本作の主人公たちは、社会の歪みの影響で、繊細な心を傷つけられ居場所を失ってしまった高校生たちです。

そんな彼らが、共通した悲しみを持つ仲間たちと共に、歪んだ大人の心を改心させていくことにより、歪みとは何か?そもそも勝手に改心させることは正しいのか?など、色んな事を考え成長させていく物語でいわゆるジュブナイル物語というやつです。

しかしここでさらにすごいのが、彼らが直面する歪みが、今の日本が抱える本質的問題を真正面から捉えていることなのです。

具体的に列挙していくと

教師の劣化、芸術を金銭的価値でしか図れない問題、毒親について、組織の不毛な椅子取りゲーム、検察・政治家の腐敗・・・

これらの問題を真正面から取り上げており、そして元になる事件や人物もおおよそ連想出来ることも含めて、全く逃げてない戦っている作品なのです。

そしてさらにすごいのがこれらの歪みを、それを行った個人のせいだけにはしていないところです。

「社会の歪みを生み出しているのは本当のところ何なのか?」

という本質的な問題をしっかり考えていることにこそ、本作の神髄があります。

これだけでもう充分に満足なのですが、本作がすごいのは「エンタメ的満足度も飛びぬけている」というところです。

まずキャラクターのデザインも素晴らしく、個性が際立って魅力的です。

特に物語の案内役になるモルガナという黒猫版のジバニャン?みたいなキャラがめちゃくちゃ可愛いです。

また本作は心の中のダンジョンを攻略するパートと同時に、日常パートが存在します。

日常パートでは、4月1日、2日、3日・・・・

というようにカレンダー通りに日々が経過し、そこでどう過ごすかを自由に選べることが出来るのです。

カフェで勉強して知識を上げたり、バッティングセンターで器用さを上げたりしてもいいし、特定のキャラと遊んで関係を深めたりを自由に選べます。

そしてそれらの行動により、有利な能力やアイテムを手に入れることが出来るのです。

しかも特定のキャラとの関係がMAXまで行くと、何とそのキャラと付き合えたりもします。

ダンジョンに出てくるシャドウという敵モンスターも、古今東西の宗教や神話の神々や悪魔たちが、ごった煮のごとく勢ぞろいしており

日本神話のオオクニヌシやクシナダヒメ。

インド神話のヴィシュヌ、西洋の悪魔であるルシファー。

あげく源平合戦のヨシツネなど、見ているだけで楽しくて時間が潰れます。

さらにこれらの神々をペルソナ化といって自らの仮面にして集めることが出来る上、合体させてまだ見ぬ神や悪魔たちを作ることが出来るのです。

私は今までの人生においてそれなりにゲームをしてきましたが、ここまで満足度が高いゲームにあったことがありません。

大抵のゲームが中盤から終盤にかけて、少し飽きてきてクリアすること自体が目的になってしまいがちになるのですが、ここまでクリアしてプレイして心底良かったと思える作品は初めてかもしれません。

調べてみたところペルソナシリーズは過去作も押しなべて名作が多いらしく、ペルソナシリーズの元である真・女神転生というシリーズもとても面白いとのことです。

読書に加えて、やるゲームも多すぎて困ってしまいます←嬉しい悩みだ

現状の社会はとても悲惨で地獄のような状況ですが、だからこそ自分が楽しむことが出来て、力をくれる本当に良い作品を選び味わって、心を豊かにして生き残っていきたい。

そんなことを思う今日この頃でした。

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