Twitterで「本棚100文字書評」という、本棚にある自分が面白い本を100文字程度で紹介する投稿をしているのですが、けっこう量が溜まったのと、あともう少し深堀したい本もあるので、今回は過去の投稿を振り返りつつ、その本について色々と書いていきます。
深夜特急
私は、基本的に家でじっとしているのが苦手で、隙あらばすぐに電車に乗り、遠方に繰り出すのですが、小さい頃はインドアで、家でじーっとしてるタイプの子供でした。
そんな私を旅に駆り立てる原因の一つが、この「深夜特急」。
街をひたすら歩くことで街自身を知ったり、市場の熱気、いかがわしさと人情が同居する宿、旅という穴に落ち込んだ人の退廃的な様子等、この本は旅の様々な表情を見せてくれます。
個人的にインドという国の引力に落ち込み、ずっと滞在してしまい、なかなか出発出来ない描写から始まるというのも、空虚と孤独の香ばしさみたいなものを感じることが出来て、最高です。
どの年齢で読んだとしても、新しい感情がぽつぽつ湧いてくるであろう作品です。
とりあえずマカオのカジノには一回行きたい!
アラビアの夜の種族
私は、読書大好き人間ですが、読書には良い成分だけではなく、間違えれば毒になる成分も入っていると考えています。
それを薬に昇華させるのか、毒として自分に入れるのかは、その人の選択や解釈になるのでしょうが、逆に言えば、「毒の美味しさ」も読書をする醍醐味の一つの様な気がします。
本書は、一度読むと止めることが出来ない「災厄の書」を巡る、魔法や呪いや欲望を練りに練り上げた壮大なファンタジー小説で、物語の筋が圧倒的に面白く、それだけでもすごい作品です。
しかし、物語の裏には、夜の闇、欲望、奴隷制度、巡る因果等、人間の根本に根差す業が常に見え隠れします。
物語はその人の闇を見る側面もあり、そしてその残忍さや悲惨さが美しいということもある。
本書の闇の底は深く、そしてずっぷりと読者を包んでくれます。
神様
私が大好きな作家、川上弘美さん。
とにかく私は、川上さんが書く文章の表現やリズムが大好きで、ここまで自分の体にフィットする感覚はないのではないかと思う位、読んでいて心地よい感覚にさせてくれます。
また内容も、非常に象徴的で不思議な話が多く、内容を読み解きたがり、考察したがり人間の私にとっては最高な作家さんなのです。
本書に関しては、「コスミスミコ」のところで何度読んでも笑ってしまいます。
とはいえまだ川上さんの著作の半分も読めていないので、どこかで川上さん週間を作り一気読みしたいところ。(最近好きな作家さんがどんどん増えてきていくら時間があっても足りない模様)
まとめ
そんなこんなで、今回は手始めなので3作品だけ振り返ってみました。(少ない笑)
来週からは、いつものように「考察」をアップしますが、今後もどこかのタイミングでTwitter書評の振り返りをしていきたいと思います。
次からは5作品くらいを取り上げていきたいと思います。
今後とも、よろしくお願いします。