<雑記>町中華について

雑記

所用でとある駅前の商店街を歩いていたら、大きい「町中華」と書かれた看板が出ていました。

町中華のイメージと言えば、鷹揚とした職人肌の店主とそれを支える奥さんがやっている、その地域に根付いた個人店みたいなイメージがあります。

しかし、そのお店は白い外装に囲まれた画一的な作りで一目で見てチェーン店だと分かりました。

そのお店を見て思ったのは、町中華がチェーンになったら果たしてそれは町中華なのだろうか、ということです。

ていうかそもそも町中華の概念とは何ぞや?

そこからして問題です。


町をぐるぐる歩きながらずっと考えていたのですが、思考は山手線を何周もする蛇の様にうねうねグルグルするばかり・・・

なので、今回は町中華の歴史の根本から遡って考えることにしました。



まずそもそもの始まりは、とある一家の母親が作った酢豚です。

中華料理が食べたいと言われ愛情をこめて作った中華料理。

これは「家族中華」です。


翌日、酢豚に感動した息子は村中の友達に、母親の中華料理の自慢をします。

すると友達たちも母親にねだり、その日の夕飯以降は村中で中華料理のメニューが並ぶようになりました、これが「村中華」です。

この農村部から起こった「中華拡大運動」は都心部にも波及しました。

上京した青年たちは、味気ないスーパーのお惣菜ばかりの毎日に嫌気がさしています。

そんな時、思い出すのが故郷の村中華の味です。

いてもたってもいられなくなり、自分で食材を揃え、1Kの部屋で一人分の中華料理を作ります。

これが「コーポ中華」です。

余談ですがコーポ中華に感動した、韓国人の留学生が地元の家賃が安い部屋で作ったのが「半地下中華」です。


話を日本に戻します。

農村部から上京組のまだお金が無い青年へと広がった「中華拡大運動」は、中流のサラリーマン家庭にも広がりを遂げます。

それは上京した青年たちが大人になり、それなりの地位についたことが大きいです。

住むとこもグレードアップしてマンションに住む彼ら、この中華状態を「分譲中華」と表現します。


この段階で、都市部の色々なお店で中華が流行ります。

メイドが「青椒肉絲」を運ぶ「メイド中華」。

宅配も流行り、なぜか大型のバイクばかりが宅配をやることから、この時代を「ハーレーダビッド中華」時代という人もいます。


この状態で一億総中流のほとんどの精神へと浸透した中華は、ブルジョアさえも飲み込ます。

残業につぐ残業、その繰り返しの気分転換に同窓会へ行った、財務省のキャリア官僚のエリート。

その二次会で、民間に勤める友人の自宅のマンションで飲みなおすことになりました。

そこで出てきた「エビチリ」のうまさに衝撃を受けます。

そしてそれ以降、彼は毎晩中華料理研究に明け暮れます。

これを「財務省事務中華」と言います。


そして官僚に広まれば、そことずぶずぶの政治家に広まるのはあっという間です。

特に生まれながらのボンボン政治家たちに、珍しがられ流行、「世襲中華」です。


そして世襲の政治家の総理大臣率が高いのが我が国、日本。

あっという間に、ボンボン政治家の総理大臣やそのお友達の大臣だちにも中華は波及します。

いわゆる「内閣総中華」です。


ここにきて中華料理は内閣を飲み込みました。


しかし天下を取った中華の気持ちは全然晴れません。

「俺はこんなことをやるために中華をしたんだろうか?」


権力を金を手にしても、何も幸せでないことに衝撃を受ける中華。

ここで彼の精神は最下層まで落ち込みます。

「闇中華」です。


しかし、それを救ったのが、地方創生のボランティア活動でした。

それに参加した中華は、都市部ではなく地方の創生に希望を見出します。

地方で一生懸命頑張っている人の為に、東京を除く46都道府県に中華ハウスを置くことを決意し、それを実行に移したのです。

そしてなぜかその中華ハウスが、全て坂の途中の傾斜地に置かれたことから、この時代を「中華坂46」時代と呼びます。

次に中華は暮らしから文化へと目を向けます。

お寺や神社、城郭の補修作業を行う中で、昔の時代から残ってる天守閣の偉大さに心打たれ、そこで中華をすることに喜びを見出します。

「現存十二天守中華」です。


そしてここで運命は急展開を迎えます。

天守閣でふるまわれる中華に感動した、イギリス人から熱心にイギリスへと招聘されたのです。

しばし迷った中華ですが、世界の人々の笑顔が見たい、そう思い決意を固めます。

飛行機に乗り、イングランド南東部のケント州へと向かう中華。

そして、その世界遺産の教会で中華がふるまわれました。

「カンタベリー大中華」です。


そしてそこで本当の笑顔や幸せについて悟りを開いた中華が、日本に戻り人々の為に始めたのが「町中華」だったのです。


そんな「町中華」に対し最大級の賛辞を述べて、この文章を終えます。



「人々を照らす燦爛たる光、それこそが町中華なのだ。町中華よありがとう!!」
(果たして私は何を書いてるのだろうか)

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