前にもシルバニアの記事の時に書いたことがあると思いますが、子供の頃、夏になるとカブトムシを取りに行くのが楽しみでした。
近場にある、カブト氏が集まるクヌギの木情報を元に、親に色んな場所に連れて行ってもらったのは良い思い出です。
大人になって徐々に虫とか、昆虫が苦手になってきた私ですが、カブト氏に関しては子供の頃の思い出補正もあり、「好きの気持ち」を持ち続けています。
しかし、子供の時は
「大きい角がかっこいいなあ」
というビジュアルに根差した一義的な可愛らしい感想しか持っていなかったものの、大人になるにつれて様々な知識、いろんな角度から物事が見えるようになってきます(私みたいなアホでも子供の頃よりは進化してるであろう)
そうすると、やはりカブト氏に関して圧倒的に感じる違和感が異常なる成長の軌跡です。
①白いもにゅもにゅしたイモムシ
↓
②クリーム色と黄色の中間みたいなブヨブヨしたさなぎ
↓
③黒鋼の戦車の様なボディの成虫
この①から③ですが、全ての形態がまるで違います。
特に芋虫からさなぎに関しての変化は、想像の大気圏を超えるレベルの範疇です。
この進化に比べたらフリーザの進化の3つ目の、「やたら頭が出っ張ったキモイやつ」ですら、可愛く見えてきます。
私がカブトムシのさなぎという形態を初めて知ったのは、子供の頃見た図鑑でした。
その時の衝撃は子供ながらに鮮明に覚えており、例えるなら、寿司屋でまぐろの握りを頼んだのに、目の前の板の上に、尖った黒い革靴を出された位の圧倒的な衝撃でした。(例えがさっぱり)
よく昆虫は、宇宙から来た生物なのではなかろうか?と言われていますが、個人的にかなり信憑性があると思っています。
さて、次に私がおかしいと思うモノ。
それはずばり「ト音記号」です。
音楽の楽譜において、五線譜の最初に位置するぐるぐるしたアイツ。
やっぱりあれはどう考えてもおかしいのです。
そもそも普通に書いていたら、絶対に考え付かないようなフォルムのデザインです。
また、「悪ふざけ」だったとしても、あの奇妙なぐにゃぐにゃ感は、悪ふざけの「悪い」と「ふざける」の両方の感覚から大分乖離したイメージでしょう。
ひらがなの「つ」の先端に黒い丸を付けたような「ヘ音記号」のヤツだって、都会で歩いていたら充分変態の類です。
しかし「ト音記号」に比べたら「ヘ音記号」は、勤続20年目の公務員ぐらいマトモな人に見えてきます。
そもそも私は音楽を聞いていて、喜びや幸せを感じたことはありますが「ト音記号」の様なぐにゃぐにゃした気持ちになったことは一回もないのです。
さて、ここからが本題である。(ここから論文口調)
私はこの二つの事柄、「カブトムシの成長過程」と「ト音記号の奇妙なフォルム」は実は一つの事柄であると考えているのだ。
その二つは、元々一つの物体。
すなわち「宇宙からの福音」だった可能性が高いと考えている。
まずその根拠とされる理由一つ目。
それは「白から黒へ」ということだ。
カブトムシの成虫はご存じ黒い鋼のボディ、そしてト音記号は漆黒の曲線美、そして宇宙は暗黒の深淵を覗かせている。
そしてカブトムシの幼虫は白い、そこから黒い成虫になる。
楽譜は、真っ白い紙に黒い五線を引き、そこにト音記号という漆黒の曲線美が書かれる。
そして宇宙の始まりは「無」。
「無」は個人的に真っ白のイメージであり、そこに黒い墨汁が一滴垂らされたことにより宇宙が始まり広がっていくというのが私の宇宙の始まりのイメージである。
つまりこの3つの事象は驚くほど似通っているのだ。
次は具体的な検証事例を挙げよう。
私は子供の頃、今では考えられないが、カブトムシの幼虫を親が出かけた隙に食卓テーブルの上に3匹置き、散歩させていた経験を持っている。(今知り合いの子にそれをやられたら私は発狂し、そのあと狂ったようにテーブルを拭く)
その様子を、スイカバーを食べながらのんびり眺めていると、あるときその中の1匹が奇妙な動きをしていたのだ。
そう、その1匹はなんと「ト音記号」の形の様に食卓テーブルを這っていたのである。
この記憶は鮮明に私の記憶の棚に三つ折りでしまい込まれ、そして最近あさりの味噌汁で貝殻からあさりをほじくり出している時に唐突に思い出したものである。
さて、ここまで見てくれば結論は一つしかありえない。
すなわち「カブトムシ」と「ト音記号」は元々、宇宙から来た一つの物体、もしくは何かしらのメッセージであり、それは「宇宙からの福音」だったということだ。
宇宙の深淵から何らかのメッセージを携えた「福音」が、地球に来るまでの旅の途中で、大気圏や、他の精神体、もしくは謎のエネルギーと遭遇した等の事故により、一つは物体、もう一つはメッセージを司る精神体に分離してしまったのであろう。
そして分離したまま地表に降り立ったそれらは一つは物体のカブトムシ、もう一つはメッセージとしての精神体、「ト音記号」というイメージとして生物の遺伝子に刻み込まれたのだ・・・
以上が、私が考えた研究の結果です。
そう考えるとカブトムシは虫という、苦手な人が多いジャンルに属しているにも関わらず、今だ子供や大人に人気があるのも「福音」であったことが作用していると考えらますし
「ト音記号」が体現する音楽に関して言えば、音楽が無い人生など考えらえれないほどに、人類の生活を豊かにしているといえます。
もはや二つの事象が一つの福音から端を発しているのは火を見るより明らかです。
しかし、逆に言えば、今の状態は分離している状態であり、つまり「カブトムシ」も「ト音記号」も片方だけでは未完成ということです。
しかし、私は最近ひしひしと
「その時は近い」と感じているのです。
近いうちに、密林の奥地で、突然変異により巨大な白いイモムシが誕生することでしょう。
そしてそれは巨大なブヨブヨしたクリーム色のさなぎになります。
そしてそのさなぎから、巨大な黒々とした「ト音記号」が、ぬめぬめした体液と共に、この世に産声をあげるのです。
その時こそ、ようやく両者が一つになり、人類が宇宙からの福音のメッセージを受け取るときでしょう。
私は、いつその時が来てもいいように準備するために、もしかしたら音楽を聞いているのかもしれません。
巨大な黒い曲線のアイツが目の前に来るのを待ちながら、私は今日もイヤホンを耳に付けるのでした。