最近よく、バナナを朝食べるようになりました。
いつも大抵は食パンを食べるのですが、年に何回か「バナナモーニング期」が私に訪れます。
そして先日バナモ二期が冬の風に乗り、ようやく私に辿り着く運びになったのです。
しかし、バナナというのは不思議な果物です。
まるで人間に剥いてくれと言わんばかりのフォルム!
そして、黄色い三日月の形をした本体の皮を剥くと、出てくるのは真っ白な中身です。
そして食べると甘くて美味しい!
なんか他の果物に比べて、非常に空想的というか漫画的ですよね。
もしデザインや配色のバランスが崩れて、外が黄色でも中が、真っ青だったりしたら、祭事とか儀式とかに使われこそすれ、ここまで世界に広がってはいない気がします。
さてバナナで思い出すのが、「スーパードンキーコング」というスーパーファミコンのソフトです。
これは、私が初めて買ってもらったゲームのソフトで、買ってもらってから3か月くらい夢中でやった記憶があります。
ストーリーとしては、ドンキーコングがバナナ倉庫にあった大量のバナナを盗まれたために、クレムリン軍からバナナを取り返すために冒険に出るという内容なのですが、ここで印象的だったのが、クリア後のバナナ倉庫です。
取り戻した大量のバナナにあふれ、黄色に埋まる倉庫!!
イメージ的には学校のプールが丸々埋まる位のバナナの量なのです。(記憶ではかなりの量だった気がします)
それを見た子供の頃の私は、その光景の絵力に圧倒され
「バナナすげえ!!ドンキーたち良かったなあ!!」
と素直に思ったものですが、大人になってよく考えてみると
あの量はどう考えてもおかしい
様々な疑問が頭を駆け巡ります。
いくらドラえもんがどら焼きを好きだからといって、のび太くんちの庭にどら焼き倉庫を作ったりしたら、のび太家との親交は完全に断ち切られるに違いない・・・
それくらいの量のバナナなのです。
なので、私は眠れない夜を抱くかわりに、このドンキー・バナナ問題について一晩費やし、一つの仮説を導き出しました。
それは
バナナ貨幣説です。
何を言うのかと思うでしょうが、わが国日本でも、明治維新の前の江戸時代、幕府に仕える武士は、給料をお米でもらっていました。
そして必要な時は、そのお米を売ってお金を作ったりしていたのです。
話をドンキーコングに戻すと、あのバナナ倉庫のバナナはどう考えてもドンキー一族で食べきれるものではありません。
いくら彼らが育ちざかりで食べ盛りだとしても(彼らの年齢を私は知らない)あの量はとてもじゃないけど無理でしょう。
しかし、あれはバナナでもあり、お金でもある。
そう考えれば、全てのことに辻褄が合うのです。
つまり、ドンキーコングの社会、すなわちドンキー界では
労働の対価にバナナが支払われる
ということです。
つまり、あのバナナ倉庫はドンキー一族の個人所有の金庫というわけですね。
しかし、そうすると考えてしまうのがドンキー界の歴史。
すなわちドンキー史です。
おそらく原初のドンキーたちは、個人でバナナを栽培して家族単位で暮らしていたのでしょう。
そこに徐々にバナナという富を集積し、いろんな人間を従える村長クラスのドンキーたちが現れます。
話し合いではらちが明かず、とうどう武装化するドンキーが現れ、これがいわゆる武士ドンキーという階層を生み、巨大な武力を抱えた地域集団を形成します。
そして地域を治めるようになったドンキーを大名ドンキーと呼ぶことになるのです。
大名配下のドンキーたちは、戦で一番槍をあげたり、いくつサルの首を取ったかなどで、土地を配分されます。
このときに土地の価値を表すのが、その土地からどのくらいのバナナが取れるのかという
バナナ石高です。
一石を、成人のドンキーコング一人が、1年間に食べるバナナの量とした目安で、これをもとに土地の価値が表されました。
大名クラスの支配する土地では50万石バナナ。
村長クラスで1万石バナナ。
下級武士ドンキー層では50石くらいの目安でしょうか。
ここにドンキー史においては、バナナを軸とする
バナナ封建制が生まれたのです。
そして現在においても明治維新、ドンキーで言うところのバナナ維新が起こることはなく、この封建制の延長にあるのがドンキー界の現状なのでしょう。
しかし、ここで疑問に思うのが、ゲーム内でラジカセとか家電みたいなのが結構出てきたのではないか?
ということです。
果たして中世の政治システムを引きずっているドンキー界に、高度な家電が出てくる余地があるのか・・・
それは当然の疑問だと思います。
そしてこれを解決するのも、そうです。
バナナなのです。
江戸の給料である米と、ドンキー界のバナナを比べた時に、圧倒的にバナナが米に劣るのが保存期間です。
米はかなり長期間保存がききますが、バナナは長く持って10日くらいのイメージでしょう。
しかしこの弱点が、経済上の強みになっているのがドンキー界なのです。
つまりバナナを給料でもらうということは、期限が1週間弱の1万円札をもらったこと同じことなのです。
ゆえにドンキーたちは給料が出たら、すぐにお金を使います。
彼らに貯金の概念はありません。
そして、消費が伸びれば、企業が儲かり、それを元に新しい商品を開発する。
この好サイクルがドンキー界を支えているのでしょう。
さて、話を最初に戻しますが、それではあのバナナ倉庫にあったバナナたちは一体何なんでしょうか?
おそらくあれは、バナナではなく、バナナのレプリカです。
つまりあの大量のバナナレプリカは、俺はこんだけ力があるドンキーコングなんだぞ!という
富と権力の象徴なのです。
つまりドンキーコングとは、その富の象徴を盗まれ、一族の矜持を傷つけられたドンキー一族とクレムリン軍の、暴力団抗争に近い話だったんですね。
しかし、我々人間界も他人事ではいられません。
ドンキー界の良い点、悪い点をしっかり整理したうえで、社会に活かさないと大変なことになる。
そんな問題提起をして、今回は終わりたいと思います。(得意な全てを放り投げる形式の終わり方)