<雑記>携帯型ホテルデバイスの必要性

雑記

私は寝る時にソファーベッドを使っている。

これは狭い部屋の中で、ソファーとベッドを置くと、豚小屋がさらに豚小屋チックになるからであり、どうにか優雅に空間を利用とするつつましやかな一石二鳥の精神である。

しかしそのソファーベッドは格安家具店で買ったものなので、それほど材質の良いものではない。

そんなわけで、現段階で自分が毎回座る部分がきっちりと凹み、骨組みが尻に触れ、しっかり痛いセルフSM仕様になってしまった。

思い返せば、このソファーベッドに限らず、私はソファーでもベッドでも毎回、同じ部分ばかりを凹ませ、骨組みの局部破壊を繰り返して来た。

これは帰ってきて、勢いよくそこにヒップドロップを無意識にかますことも大きいのだが、いくら意識を心がけても私は帰ってきたら、そのことを忘れヒップドロップを繰り返す。

私の脳は学習能力がなく、そして私の尻は常に破壊を求める原罪を背負っている。

しかしこのまま骨組みがゴリゴリするのを放置していては、尻が痛すぎてうかつにパソコンも打てやしない。

そんなわけで、私は凹んでいる部分に、アルミマットを敷くことにした。

これはかつて九州をママチャリで一周旅行する時用に買ったものであり、道の駅で野宿する時に二回ほど活躍した過去を持つ御仁だ(野宿は二回で凝りて後はネカフェを使った。テントもマットも持っていく必要はなかった)

私は二回しか活躍しなかった彼を容赦なくソファーのサイズに切り、厚みを出す為に折り曲げた、その上に自身の罪を背負った尻を乗せている形だ。

既に弾力性を失った彼の体はもう丸まることはなく、彼は二度とアウトドアという競技には戻れない。しかしこれも運命である。今後は、このまま私の豚小屋で彼はその生命を全うすることになるだろう。

ついでに九州一周旅行の時に活躍した寝袋に関しては、まだまだ現役で旅行時に活躍している。アルミマットとはかなり明暗が分かれた形だ。

私が買ったのは、しまうとかなり小さくなる携帯型の寝袋なのだが、これがあるとネカフェでの睡眠がマジで2ランクくらいアップし、明らかに快適さが増すのだ。

ゆえに旅好き貧乏でネカフェマンサー(沢山ネカフェを使う人、造語)な私にとって寝袋ちゃんは必需品となる。

しかしここまで書いてきて段々、腹が立ってきた。

現在はさんざんAIやら量子コンピューターやら、科学の進化を煽りまくっている。

しかし一向に貧乏人の旅の宿事情が改善されないのはなぜなのか。

もっと端的に言おう。

なぜ現在もまだホイポイカプセルが開発されていないのか。

ここで説明すると、ホイポイカプセルというのは、漫画ドラゴンボールでカプセルコーポレーションが開発した野宿アイテムであり、カプセルのボタンを押し、「ほい」と高らかに宣言しつつ、ぽいっとそのカプセルを放り投げるとドーム状の家が出てくるという、某ネコ型ロボも歯ぎしりする未来アイテムだ。

正直な話、AIはイラストや漫画を描いている暇があるなら、人類の為にホイポイカプセルを開発するのが人口知能としての使命だと思う。漫画やイラストを描くのは、物理的に人類に役立ってからにしてほしい。

もしくは劇場版とかのドラえもんで(さっきまで某と表記した意味)出てくる、地面に挿すと柱が伸び、その上にドーム状のホテルが出現するあれでもいい。

とにもかくにも、もうそろそろ各国の政府は携帯型ホテルデバイスについて全精力を傾けて、真剣に開発するべきだ。

そうすれば観光地でオーバーツーリズム気味の宿事情は改善されるし、あまりに値上がりしているホテル料金が落ち着くのは道理である。

そして宿代が浮く分、観光地で使うお金も増え、経済は潤う。

そしたら旅館がつぶれるのではと思うかもしれないが、その心配はご無用だ。なぜならホイポイカプセルだろうが、ドラえもんのあれだろうが、それを挿す地面は必要だからだ。

つまり旅館は、それを挿す土地と温泉と料理を提供する形にシフトしていけばよくて、客室の整備もしなくてよくなる分、料理や温泉に力を入れられるので、女将も湯守もにっこりだ。

携帯型ホテルデバイスは、里帰りなどふるさとへの慈しみにも寄与する可能性が大だ。

もしあなたが都内に住んでいて、おじいちゃんの家が栃木くらいだったら、在来線や新幹線を使わなくても歩きでいけるようになる。交通費が浮く分、おじいちゃんにきんつばや孫の手を買ってあげれば、おじいちゃんは大喜びだろう。まあ本当に嬉しいのはまるで太陽の様なお孫さんの笑顔だろうが。

さて携帯型ホテルデバイスは当然だが少子化への有効な対策にもなりうる。

手取りが少なく子供なんて生めない、もしくは彼女なんて作れない現役世代。

しかしデバイスさえあれば、まず家賃が浮き、ノマド的な働き方が可能になり、近場なら出張費も浮く。そう単純に手取りが増えるのだ。

さらに毎晩、窓から見える夜景は変わり、ロマンティックな気分も醸成される。

もちろんクリスマスで繁華街のラブホテルが満員になっても問題無しだ。クリスマスだけ空中にサーティーワンもびっくりのカプセル状の物体が繁華街の景色を埋め尽くすことになるが、それこそが人類の愛を象徴する新しい聖夜の風物詩になる。

歩いていたら、そこらへんの若者が「俺のカプセルすごいんだぜ」と、カプセルマウントのような会話も聞こえてくるかもしれない。

物価高の旅事情、そして少子化の対策の為、私はこれからも積極的に携帯型ホテルデバイスの早急な開発を政府に求めていく次第である。

(おしまい)

何だかよくわからないモノを目指し、ブログやってます
本の書評や考察・日々感じたこと・ショートストーリーを書いてるので、良かったら見て下さい♪

かえる文学をフォローする
全記事雑記
シェアする
かえる文学をフォローする
タイトルとURLをコピーしました