書評

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<書評>「笑うマトリョーシカ」 傀儡人形の奥に潜むもの

「笑うマトリョーシカ」は早見和真さんが、2021年に発表した長編小説です。早見さんの本は話題になった「イノセント・デイズ」を数年前に読み、それが非常に面白かったので、今回、書店で平積みされている印象的な仮面の表紙と、ミステリー要素を含んだ政治家の物語という、私の好きなジャンルだったので、速攻で購入しました。
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<書評>「鼻/外套/査察官」 妄想と狂気のドタバタ喜悲劇

「鼻/外套/査察官」は19世紀のロシアの作家、ニコライ・ゴーゴリの短編を収録した作品集です。そんな本作を自分なりに書評しました。
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<書評>「虐げられた人びと」 貧苦、激情、矜持の三重奏

「虐げられた人びと」は19世紀のロシアを代表する文豪、フョードル・ドストエフスキーの長編小説です。本作品は、シベリア流刑の体験を基にした「死の家の記録」の後に、発表された本格的な長編小説であり、「罪と罰」に始まる五大長編に繋がる、後期ドストエフスキーのスタート的長編です。
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<書評>「二重人格」 ねじれた都市人の幻想的悲哀

「二重人格」は、19世紀ロシアの世界的文豪、フョードル・ドストエフスキーの二作目の中編作品です。そんな本作を自分なりに書評してます。
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<書評>「2001年宇宙の旅」 未知の彼方の奔流へ放り込まれる唯一無二の読書体験

「2001年宇宙の旅」はSFの大家・アーサー・C・クラークさんの長編小説です。スタンリー・キューブリック監督の映画版に関して、私は常々、人生の映画ナンバーワンだと言ってきましたが、その小説版をとうとう読了しました。
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<書評>「琥珀の夏」 理想と欺瞞、揺れ動く心

「琥珀の夏」は、2023年9月に発売された、辻村深月さんの長編小説です。かつて参加したことがある宗教団体「ミライの学校」の敷地内から、白骨死体が見つかったニュースを知った弁護士の法子の視点と、施設にいた少女、ミカの視点から、30年前の記憶、宗教や行政がそれぞれ抱える欺瞞、大人と子供それぞれの思いを描くことに挑戦した力作です。
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<書評>「異能機関」 背骨がしっかりしている王道は強い

アメリカの作家であり、「ホラーの帝王」の名をほしいままにするスティーヴン・キングさんが2019年に刊行した長編小説であり、日本では2023年の6月に発売された本作「異能機関」。しっかりとした王道を踏襲しつつ、思想的な背骨の強さが見える、素敵な作品です。
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<書評>「白亜紀往事」 恐竜と蟻が文明作るってよ

もし白亜紀に恐竜と蟻が出会い、共に文明を築いたり、戦争をしたりしたならば・・・このワンポイントの発想を広げ、壮大な文明エンターテインメントに仕上げたのが、本作「白亜紀往事」です。
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<書評>「カエアンの聖衣」 奇想天外な発想とアイデアの連鎖

「カエアンの聖衣」は、イギリスのSF作家、バリントン・J・ベイリーさんの長編小説です。斬新なアイデアと縦横無尽に動く物語が融合し、高いレベルのエンターテインメントを提供してくれる本作を自分なりに書評しました。
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<書評>「さよなら、愛しい人」 躍動する物語と哀しい幕切れと

「さよなら、愛しい人」はアメリカの作家、レイモンド・チャンドラーさんの私立探偵・フィリップ・マーロウを主人公とする小説シリーズの二作目です。そんな本作を自分なりに書評しました。